出版社内容情報
それは「中国」に何をもたらしたのか──。豊かな江南と北京をつなぐ輸送路として、明代に空前の規模で整備された大運河。そこでは何がどのように運ばれ、地域の社会経済はいかなる影響を受けたのか。徴税・輸送・再分配体制の変遷を、首都とその近郊、さらには帝国レベルの財政・流通との連関でつぶさに解明。「南北統合」の実態と言説を新たな水準で問い直す。
【目次】
凡 例
序 章 明代漕運という問題系
1 巨大兵站事業としての大運河漕運
2 漕運・政書・社会的同一性
3 本書の課題
4 分析課題の脈絡
5 本書の構成
第Ⅰ部 14~15世紀のロジスティクスと大運河
第1章 明初期の兵站構築と漕運
はじめに
1 補給体制の構築
2 永楽遷都と兵站
3 兵站の単線化と航程
おわりに
第2章 15世紀における兵站体制の再編
-- 中規模帝国へ
はじめに
1 初期明朝政権の性格
2 鄭和船団と営利活動
3 鄭和船団から漕運衛所へ -- 武職選簿からみた
4 対外体制の転換と政治的変容
5 ポスト永楽期の政治史的文脈と中規模帝国
おわりに
第Ⅱ部 大運河漕運と明代の「指令経済」
第3章 明朝財政と「漕糧」
はじめに
1 明朝財政概観
2 明朝財政における漕糧
3 北京現物米財政の基調
おわりに
第4章 現物米の備蓄と配給
-- 明代の京倉・通州倉
はじめに
1 京倉と通州倉
2 糧米の支給対象・内訳
3 京倉・通州倉糧米の支給手続き
4 京倉・通州倉の備蓄残高と「救荒」
5 京倉・通州倉ストックの機能的性格
おわりに -- 明代北京の財政と「再分配」
第5章 米穀と銀、指令経済と市場経済
-- 明代の漕糧と餘米
はじめに --「国家の咽喉」
1 「月米一石」
2 漕糧折銀と月糧折支をめぐって -- 消費・市場・指令
3 漕運・餘米・「民間市場」
おわりに
第Ⅲ部 畿輔・財政・運河、そして南北中国
第6章 帝室財政と州県財政・市場・畿輔
-- 北直隷での「鉱・税の禍」
はじめに
1 安文璧『順天題稿』と畿輔での「鉱・税」
2 畿輔「鉱・税」始末
3 畿輔での「鉱・税」-- 賦課対象・形式
4 「国家之遺利」の現実
おわりに -- 帝室財政・国家財政・州県財政
第7章 畿輔・西北水利
-- 大運河漕運体制の是正と挫折
はじめに
1 畿輔水利・西北水利論
2 徐貞明と西北開発論の帰趨
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