出版社内容情報
今や「国宝」的な古典芸能となっている歌舞伎は、かつては意欲的な新作劇を次々と上演していた。では戦時中の新作とはどのようなものだったのか。そして占領期の歌舞伎に何が起きたのか。英語圏における日本演劇研究の第一人者が、同時代を生きた歌舞伎の姿を初めて蘇らせる。永らく忘却されてきた歴史を掘り起こす労作、ついに邦訳。
【目次】
序 章
第Ⅰ部 外国をめぐる歌舞伎の冒険(1931~39年)
第1章 戦争への序曲
第2章 歌舞伎と満洲事変・上海事変(1931~34年)
第3章 歌舞伎と盧溝橋事件(1937~38年)
第4章 迫り来る嵐(1939年)
第Ⅱ部 勝利の果実(1940~42年)
第5章 歌舞伎と皇紀二千六百年(1940年)
第6章 米英との対決(1941年)
第7章 頂点に立つ日本と歌舞伎(1942年)
第Ⅲ部 敗北と生存(1943~45年)
第8章 歌舞伎と日本の「決戦」(1943年)
第9章 歌舞伎は贅沢(1944年)
第10章 苦悩の結末(1945年)
第11章 歌舞伎の戦争劇回顧(1945年8月)
第Ⅳ部 占領を生き延びた歌舞伎(1945~47年)
第12章 古典歌舞伎の創造(1945~47年)
謝 辞
注
訳者解題
参考文献
索 引