出版社内容情報
戦国大名の領国経営を土台から捉え直す――。君臣関係、軍事、賞罰、課役、契約など、多様な規定を含む家法。そこに現れる公界とは何か。当主の支配確立の試みから、武士・百姓・下人のあり様、そして流通・金融を担う商人との関係まで、法文の精緻な読解により新たな歴史像を立ち上げる。
内容説明
戦国大名の領国経営を土台から捉え直す。君臣関係、軍事、賞罰、課役、契約など、多様な規定を含む家法。そこに現れる公界とは何か。当主の支配確立の試みから、武士・百姓・下人のあり様、そして流通・金融を担う商人との関係まで、法文の精緻な読解により、新たな歴史像を立ち上げる。
目次
序論
第1部 結城氏新法度(『結城氏新法度』の特徴;『結城氏新法度』の発生;政勝の所領認識;『結城氏新法度』の中の「犯罪」;『結城氏新法度』の中の「賞罰」;『結城氏新法度』の中の神社・仏寺・流通;『結城氏新法度』と「公界」;『結城氏新法度』の中の「披露・陳法・侘言」)
第2部 相良氏法度(為続法;長毎法;晴広法)
終論
著者等紹介
安野眞幸[アンノマサキ]
1940年生。現在、弘前大学名誉教授。著書『バテレン追放令―16世紀の日欧対決』(日本エディタースクール出版部、1989年、サントリー学芸賞。2023年改訂増補版、ちくま学芸文庫)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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於千代
3
久しぶりに分野違いの研究書を読んだ。史料に丹念に向き合い、一文字一文字にこだわって解釈することで、先行研究の解釈を覆していく。先行研究であいまいにされた部分の字義も検討されており、「たゝり」を「刑罰」と解釈していることは興味深かった。現代だと「たたり」は超常存在によってもたらされるものであるが、当該期はもっと現実的なものであったようだ。 本書を読みながら、自分の読書筋力の衰えも痛感した。普段から硬い研究書に触れていないと、どんどん歯が立たなくなっていくものだと改めて思わされた。2025/08/23