出版社内容情報
物理学分野の個々の事例に基づくボトムアップ式議論と、従来の哲学分野におけるトップダウン式議論とを往還しつつ、創発の伝統的な捉え方を塗り替える。古典力学と量子力学との関係、熱力学と統計力学との関係をあらためて考え直す、気鋭による力作。
内容説明
「創発」とはいったい何なのか。物理学分野の個々の事例に基づくボトムアップ式議論と、従来の哲学分野におけるトップダウン式議論とを往還しつつ、創発の伝統的な捉え方を塗り替える。古典力学と量子力学との関係、熱力学と統計力学との関係をあらためて考え直す、気鋭による力作。
目次
第1章 創発はどのように問題になってきたか(物理学における創発:More is Different;哲学における創発:イギリス創発主義者;本書の問題設定と構成)
第2章 創発の定義の歴史と探究(科学哲学における創発と還元;物理学の哲学における創発と還元;モデル間関係としての還元;モデル間関係としての創発)
第3章 量子力学と古典力学の創発(モデル間還元;解釈に依存しない創発;量子力学の解釈と創発;崩壊解釈と隠れた変数解釈;多世界解釈)
第4章 統計力学と熱力学の創発(相転移と創発;普遍性とスケーリング則;普遍性と創発;不可逆性と粗視化)
第5章 創発が存在するこの世界について(三つのモデルと理論間関係;創発概念と伝統的な概念;この世界はどういう世界か)
付録1 スケーリング則の導入
付録2 還元と創発の分類
著者等紹介
森田紘平[モリタコウヘイ]
1987年生まれ。現在、神戸大学大学院システム情報学研究科特命助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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