出版社内容情報
かつては害獣対策はもちろん、薬用や祝祭の犠牲にも供されていた猫。なぜ、どのようにして「愛らしいペット」になったのか──。啓蒙期フランスの科学・文学・美術を通して、「文明」の伴侶としての猫観の誕生に迫り、「ネコ好き」社会をもたらした、人々の感情の大転換を跡づける。
内容説明
人と動物の感情史。かつては害獣対策はもちろん、薬用や祝祭の犠牲にも供されていた猫。なぜ、どのようにして「愛らしいペット」になったのか―。啓蒙期フランスの科学・文学・美術を通して、「文明」の伴侶としての猫観の誕生に迫り、「ネコ好き」社会をもたらした、人々の感情の大転換を跡づける。
目次
愛の歴史をどう書くか
第1部 「野蛮」の発明(「猫の大虐殺」を読みなおす―マルチスピーシーズな歴史のために;資源としての猫―飼う、売る、食べる;猫と医療のフランス革命―“猫で治す”から“猫を治す”へ)
第2部 愛好家の目覚め(貴族社会のセレブ猫―ルイ一四世期のサロンとメディア;猫の歴史家モンクリフ―書物がつくる感情共同体)
第3部 表象による馴致(博物学者の猫論争―ビュフォンと啓蒙の問題系;長靴を脱いだ猫―寓話詩と妖精譚;優雅なふれあい―ロココ時代の猫絵画)
第4部 感情のかたどり(愛猫通信―飼い主たちの感情表現;大学街の猫裁判―醜聞事件と感情の暴露)
猫の歴史を考える
著者等紹介
貝原伴寛[カイバラトモヒロ]
1992年千葉県に生まれる。現在、日本学術振興会特別研究員(PD)、博士(歴史と文明)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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