出版社内容情報
差別を生み出し続けたステレオタイプ、制度、学知などによる黒人、アメリカ先住民、アジア系移民の人種化の実態を鋭くとらえるとともに、排除に抗うアイデンティティ形成のジレンマもはじめて一貫して提示、アートを手がかりに、固定化された対立をほどく、第一人者による渾身の成果。
内容説明
差別を生み出し続けたステレオタイプ、制度、学知などによる黒人、アメリカ先住民、アジア系移民の人種化の実態を鋭くとらえるとともに、排除に抗うアイデンティティ形成のジレンマもはじめて一貫して提示、アートを手がかりに、固定化された対立をほどく、第一人者による渾身の成果。
目次
序章 システミック・レイシズムの新たな理解に向けて
第1部 消費される人種カテゴリー(広告とジョークにみる人種のステレオタイプ;広告にみるステレオタイプと人種間の関係性)
第2部 学知が創るカテゴリー(アメリカ人類学史における「人種」;進化論とアメリカ人類学―一九世紀後半を中心に)
第3部 制度が創るカテゴリー(センサス再考―カテゴリーの連続性と不連続性;帰化権にみる白人性とアジア系の境界―法廷が定める人種カテゴリー)
第4部 カテゴリーにもとづく差別(日系アメリカ人の経験とアイデンティティ;サンフランシスコ日本町にみるコミュニティ組織の変容―一八七七~二〇〇〇年)
第5部 アイデンティティと人種カテゴリーのゆくえ(アイデンティティ・ポリティクスからポスト・アイデンティティへ―二〇〇〇年代の若手アジア系芸術家たちの作品と語りを手がかりに;ミックスレイスの人びとが向き合う人種カテゴリー―ロジャー・シモムラ、ローラ・キナ、シズ・サルダマンドの作品と語りから)
終章 「ほどく」「つなぐ」がひらく未来へ―井上葉子とジーン・シンの作品と語りから
著者等紹介
竹沢泰子[タケザワヤスコ]
1989年ワシントン大学大学院人類学科博士課程修了。筑波大学社会科学系助教授、マサチューセッツ工科大学(MIT)人類学科客員教授などを経て、京都大学人文科学研究所教授。著書『日系アメリカ人のエスニシティ―強制収容と補償運動による変遷』(東京大学出版会、1994年、第24回澁澤賞(新装版、2017年))など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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