内容説明
植民地下の台湾は、たんに帝国の食糧供給基地にとどまったのではなかった。見過ごされてきた工業化の契機を、豊かな農産品の加工・商品化と、それに伴う機械化・電動化に見出し、小零細企業が叢生する農村からの発展経路を実証、戦後台湾経済の原型をとらえた注目の成果。
目次
台湾工業化社会の形成
第1部 日本統治期台湾社会の工業化(市場社会の変容―工業化社会の始まり;小経営的工業化への道―中小零細工業の発展;小経営・内需・工業化―島内市場と台湾人商工業者;小農社会のなかの工業化―農村工業と労働供給)
第2部 工業化社会の形成と産業(民族工業と帝国経済圏―製帽業による世界市場への進出;「米の帝国」と工業化―籾摺・精米業の展開;「機械を使用する社会」の形成―機械市場と人的資本蓄積)
「緑の工業化」と解放後の台湾経済
著者等紹介
堀内義隆[ホリウチヨシタカ]
1973年京都府に生まれる。1996年京都大学経済学部卒業。2004年京都大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。2008年京都大学より博士(経済学)学位取得。現在、三重大学人文学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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