内容説明
謎多き国宝絵巻、全四巻の理解を一新。なぜ動物が擬人化されているのか。その流動する画面はどのように連環しているのか。中世日本の芸能、王権、美意識にもとづく精緻な分析と、動物と人間のシームレスな関係についての考察により、通説を乗り越えて全巻を読み解く。マンガ・アニメ起源論も検証。
目次
「鳥獣戯画」甲巻の復原
「鳥獣戯画」甲巻研究史の再検討
流動するテクストとしての「鳥獣戯画」甲巻
「鳥獣戯画」の成立と連歌史
有心無心連歌の隆盛と「鳥獣戯画」甲巻
「鳥獣戯画」甲巻と王権
「鳥獣戯画」甲巻の美意識
「鳥獣戯画」甲巻の歴史的文脈
「鳥獣戯画」乙巻の考察―甲巻との関係を中心に
「鳥獣戯画」丙巻の考察
「鳥獣戯画」丁巻の考察
「鳥獣戯画」と漫画・アニメ
「鳥獣戯画」四つの巻―その相互関係に注目して
動物と人間のシームレスな関係―思想史的前提について
著者等紹介
伊藤大輔[イトウダイスケ]
1968年横浜市に生まれる。1991年東京大学文学部卒業。1996年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得満期退学。東京大学助手、岡山大学助教授などを経て、名古屋大学大学院人文学研究科教授、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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犬養三千代
8
難しい一冊でした。鳥獣戯画の単なるファンなのでその歴史的変性、評価の変わり方などは歯ごたえ十分。 甲本は研究が進んでいそうなので、その手の一冊を探したい。 2022/04/08
やす
5
鳥獣戯画の見方に新たな一面を加えられる一冊。文章が分かりやすく、非常に読みやすかった。2023/07/08
水ホ
1
連歌のところとか、文化人類学のところとか何回か心が折れかけていたのを、ようやく最後まで読めました。結論が、そうかぁといったところ。今後丙巻に関する研究が進めば、もう少しはっきりするかもと2021/06/11