内容説明
「ひとつの中東」をめざして。1950年代初頭、西側世界の同盟相手として中東は再発見された。盟友イギリスの思惑や、勃興するアラブ・ナショナリズムと交差しつつ、米国はいかにして中東政治への関与を深めていったのか。膨大な一次史料を読み解き、知られざる地域構想の運命を鮮やかに描き出した一大叙事詩。
目次
第1部 地域的政策の生成(英国の非公式帝国と米国の中東への関与の始まり;西側統合政策の形成―中東コマンド構想とその遺産;協調的石油秩序への道程;イラン石油国有化紛争と協調的石油秩序)
第2部 西側統合政策の展開(アイゼンハワー政権と西側統合政策;西側統合政策の展開(1)―1953‐54年
西側統合政策の確認と定着
西側統合政策の展開(2)―1954年後半
バグダード条約の成立と西側統合政策の再編
西側統合政策の迷走と停滞)
著者等紹介
小野沢透[オノザワトオル]
1968年青森県八戸市に生まれる。1987年青森県立八戸高等学校卒業。1991年京都大学文学部史学科卒業。1995年京都大学大学院文学研究科博士後期課程退学。岩手大学人文社会科学部講師、ジョージタウン大学客員研究員(文部科学省在外研究員)等を経て、京都大学大学院文学研究科准教授(現代史学専修)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
16
1950年代のアメリカの中東政策を詳説。冷戦初期、中東全域を西側陣営に統合する事を目標とする一連の地域的政策プログラムを、本書は「西側統合政策」と呼び、この政策の推移を詳細に辿っている。イランの石油国有化紛争に絡むCIA主導によるクーデターも、西側統合政策の一環として論証しているのは興味を引く。本書の中心は、中東北層地域の"自発的"組織化の動きとしてのバグダード条約に関連する関係各国の思惑と、中東南部での米英によるアラブ・イスラエル紛争解決に向けた検討。◇兎にも角にも、現代の感覚から見ると隔世の感がある。2019/08/29
陽香
1
201602272018/08/04
takao
0
ふむ2025/03/05
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