内容説明
世界の工場=中国は終わらない。中国経済の急成長をもたらした真の強みとは。各地に叢生した産業集積の圧倒的な役割に着目、「百均のふるさと」義烏などを徹底的に踏査して、その競争力の源泉を掴み出す。安易な中国経済終焉論を斥け、絶え間なく生まれ変わっていくダイナミックな姿を鮮やかに捉えた俊英の力作。
目次
序章 「世界の工場」中国の形成と変動―課題と視角
第1章 体制移行と雑貨産業―供給不足から産業集積の形成へ
第2章 闇市から雑貨の殿堂へ―浙江省義烏市に見るボトムアップ型産業発展
第3章 郊外農村から照明器具の都へ―広東省中山市古鎮鎮に見る近隣産業基盤の意義
第4章 「世界の工場」中国の再編―立地変化と事例研究
終章 「世界の工場」は終わるのか―大国における産業集積の形成と再編
著者等紹介
伊藤亜聖[イトウアセイ]
1984年生。2012年慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。日本学術振興会特別研究員、人間文化研究機構研究員、東京大学社会科学研究所特任助教を経て、東京大学社会科学研究所講師、博士(経済学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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人生ゴルディアス
2
雑貨産業の卸売市場として巨大な規模を誇る義烏の分析に始まる。改革開放前の行商文化・闇市場と、役人の先見の明、誰でも参入可能なオープン性によって、エコシステムが出来上がった。珠江デルタの照明産業は、義烏を参考に見本市を開いて他地域の同産業を吸収する形で発展した。ミドルエンド商品の生産も多く、生産は義烏のようにばらけず地域に残り続ける傾向がある等、色々違いがあるらしい。また、最近よく言われる中西部の産業移転も、単純な移転ではなく同企業のローエンド部門の移動、みたいな感じに語られていた。とても面白かった。2019/05/31
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