内容説明
相互依存の深まる東アジアでは地域全体の福祉拡充が緊要となっている。福祉国家と企業福祉・家族福祉・ボランタリー福祉の関係をいかに結びなおすべきか。歴史も経済も多様な東アジア諸国間で国際協力は可能なのか。比較研究から新時代への提言を試みる。
目次
福祉のアジアを描く
第1部 対象と方法(東アジアの福祉国家―研究対象の生成;東アジアの福祉レジームとガバナンス;大陸間比較から見た東アジアの福祉)
第2部 典型としての台湾(台湾の政労使関係と社会政策;台湾の高齢者福祉政治;台湾の社会保障と企業福祉)
第3部 複数の東アジア(社会福祉のなかの社会と国家―台湾・シンガポールの比較;雇用構造と若者の就業―日本・韓国・台湾の比較)
第4部 比較から構想へ(東アジア社会政策を構想する―失業保険制度を例に;インフォーマル雇用の壁を越える―社会保障拡充の前提)
福祉のアジアを築く
著者等紹介
上村泰裕[カミムラヤスヒロ]
1972年名古屋市に生まれる。1995年東京大学文学部卒業。2001年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程満期退学。東京大学社会科学研究所助手、法政大学社会学部准教授を経て、名古屋大学大学院環境学研究科(社会学講座)准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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葉
0
この本はかなり読み疲れた。アジア経済危機をきっかけに東アジアの社会基盤の再構築が福祉の鍵であるとしている。コーポラティズムという利益代表システムがあり、先進国では、資本主義体制の長期安定性のために、利益団体が下から自発的に作り出す社会コーポラティズムがあり、発展途上国では内部分裂や対外従属といった危機の克服を国家が上から強制的かつ急激に作り出す国家コーポラティズムがある。福祉レジームという「福祉国家が国家・市場・家族の間で分担される様式」があり、各セクター間の相互作用を問題にするところがある。2015/11/02
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