内容説明
沸騰する世論、先鋭化する日中。反日への決定的転換をもたらした世紀の失政の原因を詳細な実証により解明、一〇〇年を経てなお影を落とす外交交渉の全貌を捉えた渾身の成果。
目次
満州問題―二十一ヶ条要求の起源
第1部 二十一ヶ条要求はなぜ提出されたのか(二十一ヶ条要求提出の背景;参戦外交再考;参戦をめぐる世論と国内政治;二十一ヶ条要求の策定過程)
第2部 二十一ヶ条要求の提出とその波紋(二十一ヶ条要求をめぐる外交交渉;二十一ヶ条要求と国内政治;二十一ヶ条要求と世論)
二十一ヶ条要求とは何だったのか
著者等紹介
奈良岡聰智[ナラオカソウチ]
1975年青森県に生まれる。2004年京都大学大学院法学研究科博士後期課程修了。現在、京都大学大学院法学研究科教授(日本政治外交史専攻)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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勝浩1958
8
「対華二十一ヵ条要求」は政府と世論とメディアによって為されたと言えるでしょう。特に、外交の拙劣さが将来に禍根を残す結果を招いたことは見逃せません。国民は中国への嫌悪感や侮蔑感を声高に叫び、新聞社は発行部数を伸ばすために政府や国民の声に阿ったのです。最近のメディアの一部では、やたらと嫌中・嫌韓を煽っています。わたしたち国民は冷静な目を持ち続けなければなりません。それにはやはり、歴史を知ることがとても肝要でしょう。そして自分で是非を判断すべきでしょう。政治家に丸投げをしていては、碌な世の中にはなりませんもの。2015/07/16
takao
1
ふむ2021/02/09
denken
1
今までは,少なくとも紳士なイメージの加藤高明でありました。ちょっとこれ読んだ後だと,虚栄心というか名誉欲というか,そういうものに引っ張られているのかなんなのか,なんか変だこの人。公正な人間という先入見は吹き飛んだ。2016/02/07
ミッキー
1
要求から100年。第二次大戦70年。是非とも読むべき本だと思います。歴史は、一つの事件を知るためにも、より過去に遡る必要があることを納得させてくれます。当時の大陸に向かう背景を知ると現在の状況に示唆することが非常に多いです。2015/08/06
キミ兄
1
日露戦争から第一次大戦にかけての日本と列強、中国の関係の変化を、21か条要求の成り立ちを軸に整理。加藤高明がいかに凡庸な政治家であったかも赤裸々に描かれる。この辺で中国への執念が蓄積されたのか。文字は多いが中身は薄い。☆☆。2015/08/04