出版社内容情報
第24回日本産業技術史学会賞受賞
内容説明
アジアに「里帰り」した近代製糸技術の、日本・中国・インドにおける定着過程を、文献史料や統計データ、現地調査などから総合的に比較分析。技術への適応化を規定する要因を明晰に抽出した労作。
目次
第1部 分析枠組みと分析対象(技術導入に対する分析視点;近代製糸技術の成立とその「里帰り」;世界の蚕糸業:その多様性)
第2部 日本における製糸技術の近代化(西欧技術の日本化とその後の独自な発展;適正技術を支えた労働力と労務管理;典型的な農村工業たる組合製糸の意義;適正技術の競争力の源泉:監督者層の近代化)
第3部 中国蚕糸技術の展開(西欧製糸技術の導入と在来技術との共存;野蚕製糸技術の共存と展開;蚕糸業の基盤整備と改良技術の普及;茅盾の『春蚕』にみる在来蚕糸部門の停滞;現代中国製糸業の発展と技術水準の吟味;工業調査にみる製紙技術の水準と労務管理)
第4部 インドにおける蚕糸技術導入の困難性(西欧技術の導入と在来技術への同化;インドの蚕糸技術水準の現状)
第5部 技術導入と社会的適応力(導入技術の適応化とその規定要因)
著者等紹介
清川雪彦[キヨカワユキヒコ]
1942年北海道に生まれる。1965年東京大学教養学部卒業。1970年東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。一橋大学経済研究所助手・助教授・教授等を経て、東京国際大学経済学部教授、一橋大学名誉教授。経済学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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