出版社内容情報
ソ連の崩壊によるロシア史への新たな関心の高まりのなかで、ロシアを含め各国でもっとも支
持された名著。該博な知識にもとづく的確な問題把握とトータルな叙述によりロシア史の理解
を一新、汎ヨーロッパ的視点に立ち、紀律国家の展開による近代化の姿を輪郭あざやかに描き
出す。
目次:
第1章
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
彬
6
てっきりロシアの通史かと思っていたのだが、扱っているのは帝政ロシアで知識の乏しい私には難しかった。帝政ロシアの解説といっても歴史的叙述に終始するわけではなく、帝政ロシアがどのような国体だったのか、ピョートル大帝から始まり崩壊に至るまでの帝政期を政治的、階級的、思想的に指摘している。とはいえ問題点、あるいは研究が必要と思われることを指摘するに留めるものも多く、その点であまりつっこまず比較的安易に帝政期の流れ、問題点を把握することが出来たのは収穫だった。しかし基本的な知識がないので人物、階級的役割で消化不良2012/10/11
のとや書架
1
帝政ロシアの、更に言うとピョートル大帝の時代を取り扱ったもの。日本人にはなじみがあまりない近代ロシアの姿を我々に示してくれる。本書を理解する上で重要なのは、「ピョートルの振る舞いを、『西欧化』とか『近代化』とかいった曖昧なレッテル張りだけですませるのではなく、『西欧化』、『近代化』、『近代性』とよばれるものの内容を明示的に確定し(それが、「紀律国家」という政治文化上のパターンなのだが)、それに基づいてロシア史を解読し読み解こうとしている点である」(p.233)という。近代を考える上で重要な視座である。2009/01/31
カコ
0
ロシア史(ピョートルの改革からアレクサンドル2世の改革まで)の通史。社会状況も知ることができる。欲を言えばアレクサンドル3世の治世まで含んだロシア史が欲しいが、ロシア史を参照する際に使えそう。手元に置いてもいいかもしれない。2024/10/28