出版社内容情報
本書は、『菊と刀』で著名なR.ベネディクトがナチスの人種主義への批判をこ
めて、「人種とは何か」「人種差別とは何であり何故起きるのか」「人種主義の
歴史」そして「如何に克服するのか」等を、明快に解説したもので、混沌とした
現代の人種問題を考えるうえで今なお指針となりうる基本書。
目次:
【第Ⅰ部】人種 第1章 人種主義:現代社会における「主義」(ism) 第2章
人種 何が人種でないか 第3章 自己分類のための努力 第4章 民族の移動と
混合 第5章 何が遺伝するのか 第6章 誰が優秀であるか 【第Ⅱ部】人種主
義 第7章 人種主義の「自然史」 第8章 ではなぜ人種偏見か?
内容説明
『菊と刀』のR・ベネディクトが考察する「人種問題」。ナチス・ドイツによるユダヤ人迫害の時代を背景に執筆された本書は「人種」をめぐる現在のさまざまな問題を読み解く指針となる。
目次
第1部 人種(人種主義―現代社会における「主義」(ism)
人種―何が人種でないか
自己分類のための努力
民族の移動と混合
何が遺伝するのか
誰が優秀であるか)
第2部 人種主義(人種主義の「自然史」;ではなぜ人種偏見か?)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
8
原題はRace: Science and Politics(1940)。F・ボアズの文化相対主義的立場から、混成や雑種を文明の前提と捉える著者は人種主義を、民族集団が先天的優越を権力行使するために生物的な種に優越の理由を求める本質主義、と捉えた。第二次大戦下のナチスのみならず各国家に蔓延するこの傾向に対する本書の分析は、本質主義が生じれば生物的種の外にも根拠を求めて差別を推し進める可能性も含意する。H・アーレントは人種主義を「帝国主義的政治のイデオロギー的武器」と政治学的に規定した(『全体主義の起原』)。2024/03/19
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- 和書
- ユプシロン 〈No.6〉