出版社内容情報
本書は、19世紀後半以降の社会経済の組織化の問題、巨大企業組織の変化と専
門経営者の出現、企業家・経営者の正統性問題、教育と階層間の流動性、工業
化に果たした家族や官僚制の役割等、ドイツ近現代史の重要問題を国際比較を
交えて広い視野から明晰に考察する。
目次
1 ドイツ帝国期における組織資本主義
2 19世紀末―20世紀初頭における巨大企業と経営者資本主義の興隆―国際比較のなかのドイツ
3 19世紀と20世紀初頭における企業家・経営者の正統性の問題と戦略
4 教育と社会的不平等―19世紀と20世紀初頭における職員層の成立と分化
5 1914年以前のドイツ工業化における資本主義と官僚制
6 産業革命期における鉄道業の管理―ドイツとアメリカの比較
7 家族・企業家・資本主義―初期工業化の事例から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
トキ
2
私がコッカをドイツ経営史家として意識した論文集。当初から本書の存在を知っており、多少読んではいたが、何を言いたいのか分からず、また興味も湧かなかった。私は著者に対して、マルクスとヴェーバーの比較や市民社会と官僚制や資本主義論、概念や歴史哲学や方法論を中心に認識していたので、今まで彼をドイツの経営史家として意識していなかった。ドイツの経営史家を知りたいと思っていたら、今まで目の前にいたことに気づいてなかった。本書はドイツ経営史入門的な意味で必要である。企業類型論と後方/前方統合には類似性がある。2023/05/08