出版社内容情報
本書は、ヨーロッパの詩的伝統に屹立し、その感情の様式を決定した屈指の古
典の、わが国で初めての全訳であり、訳者苦心の訳文と語釈・影響関係等にわ
たる詳細な訳注によって、その言葉の奥行きと世界的な広がりとを余すところ
なく伝える読書界待望の労作である。日本翻訳文化賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うた
6
800ページにわたるソネットやカンツォーネの全てを読み終えたわけではないが、これまで読んだことのある詩集のなかで最良のものであるように思う。愛の喜びも苦しみも美しい詩行に無駄なく織り込まれており、よくもこれほど詩を響くように翻訳できたものだと素直に感心にしてしまった。2015/04/26
呉下の阿蒙
1
19ソネット/ 29カンツォーネ/ 59バッラータ/ 63バッラータ/ 74ソネット/ 132ソネット/ 134ソネット/ 170ソネット/ 224ソネット/ 226ソネット2021/12/29
保山ひャン
1
おおむね編年で綴った詩集で、大半は14行のソネット。あとはカンツォーネ、セスティーナ、古民謡風のバッラータ、マドリガーレ。2部構成の1部は大半が永遠の片思いラウラへの思いを綴ったもの。2部はラウラの死を悼むものが中心になる。そうした愛の抒情詩ばかりのようだが、それ以外の作品も面白い。アヴィニョン教皇庁批判とか、武勲詩とか、贈物に添えた詩とか。月桂樹(まあ、ラウラを象徴してる)に近寄ったら、小川にはまった、みたいな詩もあったが、これも愛の詩なのだろうか?2014/07/31
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