SB新書<br> 恐怖の民俗学

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SB新書
恐怖の民俗学

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  • サイズ 新書判/ページ数 216p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784815642075
  • NDC分類 380.1
  • Cコード C0239

出版社内容情報

見てはいけない。

あの世からの声、不気味な裏山、ニュータウンの亡霊、忽然と消えた黒い人影……

ひとは、この世ならざるものをなぜ見出し、いかにして語ってきたのか。
境界に「気配」を感じ、怨霊は生者を祟り、禁忌はひとり歩きする。

本書では、妖怪から幽霊、都市伝説、ネット怪談まで、民俗学の視点から恐怖の「深層」を探る。
私たちをとらえて離さない、忌まわしくて魅力的な恐怖の正体とは――。


【目次】

はじめに
第1章 名づけ得ぬ恐怖――原初的恐怖
宮古島には「妖怪」がいない?
狩俣のカミたち
カオスのノモス化としてのカミ
人を死に誘うマジムン
原初的恐怖
【コラム】フィールドワークは、どのようにするのか?

第2章 となりにある恐怖――異界と境界
すぐそばにある「異界」
異界との境界
境界を見出す脳
境界線が生み出す「物語」
科学はすべてを解き明かすのか
【コラム】霊力の正体

第3章 変わりゆく恐怖――「妖怪」とは何か
「妖怪」が生まれるとき
「上から目線」を手に入れる
「怪異」は認定される
「化け物」の正体
進化する妖怪――「妖怪のカンブリア爆発」
娯楽としての妖怪――「江戸の妖怪革命」
地方へ広まる妖怪――『筑前化物絵巻』
井上円了と「妖怪」
民俗学と「妖怪」
水木しげるによる究極のキャラクター化
恐怖のグラデーション
【コラム】霊的なものたち

第4章 見つけ出される恐怖――怨霊と幽霊
死霊と怨霊
シャーマン
シャーマンが語る怨霊の物語
現代に生きる怨霊の事例
発見される怨霊
怨霊から幽霊へ
足がない姿
逆さまの姿
【コラム】脳はなぜ「見えない存在」を見るのか?

第5章 語られる恐怖――恐怖はどのようにして伝えられるか
恐怖の「文化進化論」
「コピーミス」の民俗学
なぜ「三」に収斂するのか?
「わずかな不思議」が勝ち残る
メディアを渡り歩く恐怖
伊豆諸島の伝承/漫画と二次創作/ネット怪談への変容
宮古島で見た伝承の変容
改変はいかにして忘却されたか
伝承とは「忘却」の生き残り
【コラム】金縛りの恐怖

第6章 よみがえる恐怖――現代社会に潜む原初的恐怖
行き場を失った「原初的恐怖」
「説明以前」の恐怖
「ひだる神」と「ぬりかべ」
佐伯家の語り――「心霊現象」のリアリティ①
第1話 死の連鎖と五右衛門風呂の叫び声/第2話 背負わされた「泥」/第3話 ミシンの音/第4話 煤けた男/第5話  のどの渇き
近畿地方のとある場所――「心霊現象」のリアリティ②
第1話 不気味な裏山/第2話 緑ヶ丘の怪異/第3話 霊の「吹き溜まり」/第4話 女の霊
妖怪コレクションと「むき出しの恐怖」
よみがえる「原初的恐怖」
タワマンに怪談は存在するか?
リミナルスペース
【コラム】どうして怖い話が好きなのか
【ブックガイド】「恐怖」をさらに知るための本
おわりに

内容説明

カミ、精霊、化け物、妖怪、幽霊…ひとは、この世ならざるものをなぜ見出し、いかにして語ってきたのか。境界に気配を感じ、怨霊は生者を祟り、禁忌はひとり歩きする。本書は民俗学の視点から恐怖の深層を探る。妖怪はどのように生まれ、なぜ幽霊は足のない姿で描かれるのか。私たちをとらえて離さない、忌まわしくて魅力的な恐怖の正体とは。

目次

第1章 名づけ得ぬ恐怖―原初的恐怖
第2章 となりにある恐怖―異界と境界
第3章 変わりゆく恐怖―「妖怪」とは何か
第4章 見つけ出される恐怖―怨霊と幽霊
第5章 語られる恐怖―恐怖はどのように伝えられるか
第6章 よみがえる恐怖―現代社会に潜む原初的恐怖

著者等紹介

島村恭則[シマムラタカノリ]
関西学院大学社会学部長・教授。現代民俗学会会長。1967年、東京都生まれ。筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科単位取得退学。博士(文学)。専門は、現代民俗学、民俗学理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

佐倉

21
宮古島狩俣でのフィールドワークの事例や、そこから導き出される霊力→精霊→神という島村氏の理論、祭祀者たちによる祭祀法の更新による軋轢の話など興味深いところも多かったが、妖怪学にしろ認知科学的なアプローチにしろここ10年20年の研究のとてもざっくりしたまとめという感じ。「妖怪は人間による自然への上から目線を手に入れることで生まれる」という繰り返し出てくる表現は神を自然に代入した零落理論の再話みたいな感じがあり、氷厘亭氷泉氏のポストにもあるが井上→柳田→水木はざっくりすぎるのではないかという感じもある。2026/09/23

Nao Funasoko

18
導入部で私も何度となく釣りや観光で訪れたことがある宮古島の狩俣地区でのフィールドワークの話しだったこともあり興味深く読了。 「恐怖」について民俗学的にその正体を解き明かしていく一冊。読みやすく論理的に解説されているものでいわゆるオカルト系の怖い本ではない。 2026/09/21

歩月るな

13
人間の素晴らしさは、勇気のすばらしさ。ノミと同類とまでは言わんが、飛んで火にいる夏の虫、ともあれ人間が恐れ(畏れ、怖れ)を無くしたら、虫の知らせも来てくれないんだろうな。それに名前がついているかどうか、そういう混沌を秩序立てる事が、名前を付ける事で意識下においては管理下における。上から目線、は自戒的ではあるけれど、名前がついていようといまいと、生き残るための知恵。人間賛歌。2026/09/29

わ!

9
タイトルは、少し胡散臭くすら感じられるのだが、いたって真面目な民俗学の本である。いやいや本当に良書である。著者のスタンスが明確で、そのまま怪異に対して明確な分析が述べられているところなどはすごい。フィールドワークで得た情報から人伝てで聞いた情報などに対しても、どのように解釈して取り込むべきかがわかりやすく書かれている。巻末にも書いているように、著者自身があまり妖怪だの怪異だのに執着がないことが、逆に力が抜けて、すべてを分かりやすくまとめきれているのかもしれない。実話怪談を付けたのは、付録のつもりだろうか?2026/09/15

ふるい

9
人類はいかにして自然の脅威や不条理な死といった「原初的恐怖」と向き合ってきたのか。近代化とともに、それらの恐怖を分類し名付けることによって「妖怪」や「幽霊」として飼い慣らすことが出来るようになった。しかし、現代においても「原初的恐怖」は心霊現象の体験談や、モキュメンタリーホラーやリミナルスペースなど新しい形での表現の中で存在し続けている。宗教認知科学についてもっと知りたくなったので、参考文献にあった『神を生み出す脳』を読んでみようかな。2026/08/31

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