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出版社内容情報
「もし私が推しと取り違えられていたら」
これは、家族がもう一度家族になるための物語。
本州と九州を隔てる関門海峡。その九州側――福岡県門司港に住む高校生のアサはママと二人暮らし。
アサには推しの人気歌手「Yoru」がいる。音痴な自分もいつか歌が上手くなりたいとスナックで働くママに歌を教わる日々。
そんなある日、推しが突然活動を休止。さらに衝撃の事実が判明する。
「ママは本当のお母さんじゃない」
生まれた時に事故で取り違えられたらしい。そんなはずない、と動揺するアサは海峡の向こう側・下関に住む本当のお母さんに会いに行く。しかし、取り違えられていた相手が「Yoru」だと判明し……。
これは、家族がもう一度家族になるための物語。
内容説明
本州と九州を隔てる関門海峡。その九州側・福岡県門司港に住む高校生のアサはママと二人暮らし。アサには推しの人気歌手「Yoru」がいる。音痴な自分もいつか歌が上手くなりたいとスナックで働くママに歌を教わる日々。そんなある日、推しが突然活動を休止。さらに衝撃の事実が判明する。「ママは本当のお母さんじゃない」生まれた時に事故で取り違えられたらしい。そんなはずない、と動揺するアサは海峡の向こう側・下関に住む本当のお母さんに会いに行く。しかし、取り違えられていた相手が「Yoru」だと判明し…。これは、家族がもう一度家族になるための物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
芳樹
35
『〜夜に、目に見えない恋をした。』2冊でも思いましたが、作者の志馬さんは新人とは思えないくらい文章が巧みですね。しんみりとした場面でも疾走感があるというか、引き込まれる文章をお書きになる。今作でも、あらすじに「出生時の取り違え」「相手が推し」「推しはすでに他界」というネガティブなキーワードが溢れますが、作品全体を通じて「お涙頂戴」になることなく、主人公のアサの明るさを前面に出すことで、温かい家族の物語へと昇華させている表現の巧緻さは見事と言うしかない。とても素敵な作品でした。次回作も楽しみにしています。2024/09/05
よっち
35
本州と九州を隔てる関門海峡。その九州側・福岡県門司港に住むママと二人暮らしの高校生のアサが、思わぬ事実に直面していく家族小説。音痴な自分もいつか歌が上手くなりたいと、スナックで働くママに歌を教わる日々を過ごすアサと、彼女の推しの人気歌手「Yoru」の突然の休止宣言。そして突然判明した出生時に取り違えられた事故。海峡の向こう側・下関に住む両親に会い、思わぬ事実も明らかになる展開で、恵まれた環境に見出した希望と、これまで積み重ねてきた想いも痛感する彼女が、葛藤の末に導き出した答えがなかなか印象的な物語でした。2024/08/08
あんみつ
21
タイトルを見た時に、どんな物語なんだろうと思っていました。 読んでみると、とても驚きました。 読了後、涙が溢れそうになりました。 所々に滲み出る優しい文章、優しい言葉に、心が柔和になりました。 素敵な物語をありがとうございました!2024/08/23
和尚
20
面白かった、とても好みな、良い家族の話でした。 主人公のアサは母親と二人暮らし。推しの人気歌手「Yoru」に憧れ、歌が上手くスナックで働く母親に教わりながら過ごす日々。 そんなある日、推しが活動休止して凹んでいるところに、実は取り違えで本当の親子ではなかったと知らされて。 アサの等身大の心の動きが凄く良かった。そして、どうしても親目線でも考えてそちらにも感情移入してしまって心にきました。良き余韻でした。2025/04/09
真白優樹
20
海辺の港町で母親と二人暮らしする、歌が好きなれど音痴な少女が、生まれた時に取り違えられたと判明し始まる物語。―――繋がりはなくとも継がれたもの、それは何よりも濃く。 取り違えという始まりから二つの家族の間を行き来していく物語であり、もう一人の娘であった推しの本質に近づいていく中で家族というものを望み選んでいく、何処か温かさのある一般文芸めいた面白さのある物語である。例え血のつながりはなくとも、貰ったものはこの胸にも。それも背負って、本物の娘の思いも背負って。これからも。 うん、とても面白かった。2024/08/12