出版社内容情報
「現代フットボールにおける戦術とは何か?」という問いに対して、答えることは簡単ではありません。筆者は偉大なる多くの監督がヨーロッパで築いてきた歴史、それに触れることが「戦術を知ること」だと考えています。それはボードゲームでも同じだと思いますが、将棋の「矢倉」という囲いの「定跡」を学ぶことは先人たちの思想を辿ることです。多くの人々が必死に考え続けたからこそ、今の世に定跡が受け継がれています。
弱点が発見されれば廃れることもありますが、それでも試行錯誤の歴史は変わりません。多くの名勝負が繰り返され、それが時代の足跡を刻んでいきます。フットボールというスポーツは、歴史的にチェスにも例えられてきました。欧州文化における「知の象徴」のように、両チーム11人の選手たちがボールを追いかけるスポーツも徐々に洗練されていきます。テーマが壮大であればあるほど、それに挑む価値はあると思います。そういう意味では、最先端のサッカー戦術を初心者でもわかるように説明するという本書は自分にとっても新たなチャレンジとなりました。それはある意味で最も難しく、軽視してはならないものだと思っています。物語仕立てということもあり、元々は小説を書きたかった過去がある自分にとっては、少し「懐かしい気持ち」にもなりました。この本を読んだ後、サッカーの戦術に少しでも興味や関心を抱いていただければ、これ以上の幸せはありません。
内容説明
ユースで希望を失った高校サッカー部員と女子マネージャーが、謎の外国人顧問から、世界最先端のサッカー戦術を学んで成長する青春サッカー戦術解説本!
目次
プロローグ サッカーを知れば、君の未来が大きく変わる
1 スーパースターがいるだけでは勝てない現代サッカー
2 なぜボゴタFCは相手のフリーキック時に手をつなぐのか?
3 すべてのフォーメーションは「1‐1‐8」(!)から始まった
4 2つの守備思想―マンツーマンとゾーン
5 相手より有利な位置に立つ「ポジショナルプレー」の台頭
6 後方から攻撃を組み立てるメカニズム「サリーダ・ラボルピアーナ」
7 攻撃時にサイドバックが中盤中央へ移動する「偽サイドバック」
8 「ボールを奪う」ために考え抜かれた戦術
エピローグ カルバーリョ先生の正体、そして旅立ち
著者等紹介
結城康平[ユウキコウヘイ]
1990年生まれ。宮崎県出身。ライターとして複数の媒体に寄稿しつつ、翻訳者・通訳者・編集者としても活動。欧州サッカーを中心に「何でも屋」として複数のプロジェクトに参加している。海外サッカー専門誌『フットボリスタ』で「TACTICAL FRONTIER進化型サッカー評論」を連載中。スコットランドで過ごした大学院生時代に培った英語文献を読み解くスキルを活用しながら「欧州最先端の戦術研究」に独自の視点でアプローチする。日本のサッカー論壇にポジショナルプレーを紹介した伝道師としても知られ、Twitterのフォロワー数は4万人を超える(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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