出版社内容情報
数学ガール、確率の正体に挑む!本書は、わかりにくく誤解されがちな「確率」を扱った数学物語です。「僕」と三人の数学ガールが「確率」に関する問題を対話しながら考えていくようすが描かれます。確率の基本から始まって、条件付き確率、集合と確率の関係などを一つ一つ学びます。単なる計算だけではなく、病気の検査における偽陽性・偽陰性の問題や、確率が誕生するきっかけとなった歴史的問題まで扱います。確率は、保険や医療といった身近な分野から、製品の故障や機械学習といった科学技術の分野まで幅広く登場します。中高生はもちろんのこと、大学生から社会人まで幅広く楽しめる本書で、生涯を通じて役に立つ確率の基礎を固めましょう!
内容説明
確率では“全体は何か”を考えよう。「僕」と三人の少女が、確率の本質に迫る秀逸の数学トーク。
目次
第1章 確率1/2の謎(ユーリの疑問;確率が1/2とはどういう意味か ほか)
第2章 全体のうち、どれくらい?(トランプゲーム;スペードのジャックが出る確率 ほか)
第3章 条件付き確率(確率が苦手;同様に確からしい ほか)
第4章 命に関わる確率(図書室にて;病気の検査 ほか)
第5章 未完のゲーム(“未完のゲーム”;さまざまな分配方法 ほか)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rosetta
22
初めて読んだシリーズだが面白かったので他の本も読んでみたくなった。この本で注目は第4章命に関わる確率。問題 ある国では全人口の1%が病気に罹っている。罹っている人を検査すると90%で陽性、罹っていない人を検査すると90%で陰性。ある人か検査を受けて結果が陽性だった場合病気に罹っている確率は? 90%だと思った貴方は大間違いです。答えは8.3%。なんでそうなるのか分からない人はこの本を読んでください。2021/05/04
美東
19
良書。直感に惑わされないよう《全体は何か》という問いかけを身につけたい。そのためには、おりにふれて再読が必要!2021/03/07
キリル
15
解説を読むとなるほどと思うのに、あまり分かった気にならない、<全体は何か>をよく考えないと痛い目に合う確率がテーマ。いまいち理解が乏しかった条件付き確率が普通の確率と比べて見ている<すべての場合の数>が違うということを定義の変形から具体的に考えられたのでよく分かりもやもや感がとれました。なぜか直感と外れるのに真実!なこともある不思議で面白い存在ですが、命に関わるとなると90%だと思ったら実は10%以下だったというのはとても恐ろしい話です。この確率が見ていた<全体は何か>を見ることを気に留めて置きたいです。2021/01/01
くしだ
12
IT系のお仕事をしていると第三次人工知能ブーム以降のトレンドをおさえる意味で多かれ少なかれ確率と統計は多少勉強するわけだけど、このシリーズでよく言われる「わかったふりをするのはよくない」の「ふり」のレベル感だよなぁというのは以前から思っていて、基礎中の基礎から丁寧に「僕」たちの対話を通して学びなおすことができたように思う。多くのひとが「ふり」で先に進んで「あれ、結局なにもわかるようになってないぞ」となりがちなポイントをおさえてくれるシリーズのように思う。2021/05/23
たろう
7
数学に苦手意識があり、特に確率と場合の数に不安要素があるので、それを払拭したいとの思いから、本書を手に取った。確率を考える上で、全体とは何かを常に意識することが大事であると書いてあり、確かにその通りだと得心した。高校生の時に読んでおきたかった(笑)2021/03/28