出版社内容情報
17世紀フランスにおいて世俗化の進展を背景に、人間の活動の動機と社会の構成原理を「功利」にみる新たな見方が生み出され、富や奢侈に対する軽蔑・否認からその称賛・容認へと、価値観の大きな転換が生じる。本書の著者ボワギルベールは、このような歴史的文脈の下で、欲求・効用や消費が主導する経済世界を前提に、スミスよりも半世紀以上も早く、「レセ・フェール(自由放任)」の秩序原理を見出し、これに基づく自由主義経済学の創生に向けて画期的な一歩を踏み出した。本書は『フランス詳論』(1695年)のほか、スミス『国富論』のプロトタイプとも目される「富論」と、ケネーの先蹤とも評価される「穀物論」の2論説を収録する。いずれも経済学・経済思想の歴史上、注目に値する重要な著作である。本邦初訳。
内容説明
「為すに任せよ」初めて自由主義の経済学を構想した画期的な一書。『フランス詳論』他2編を収録。本邦初訳。フランス発の経済学の誕生を告げる重要著作。
目次
フランス詳論 フランスの富の減少の原因及び国王が必要とするすべての貨幣を一か月で提供し、すべての人々を豊かにする救済策の容易であること(本書の概要;フランスの国力の原因;フランスの富の減少;この減少の原因;この減少はどの程度か;フランス国王の所得;かつては現在よりも少ない所得でもっと豊かであった;富が減少した原因に関するさまざまな意見;物産の消費の減少;タイユ税 ほか)
社会との関連及び国のあらゆる階層との関連でみた穀物の性質、栽培、取引及び利益についての論説 二部編成
富、貨幣そして貢租の性質についての論説―これら三つの事項に関して世の中に広く行き渡った偽りの見方が暴かれる
著者等紹介
米田昇平[ヨネダショウヘイ]
1952年生まれ、専門はフランス経済思想史、下関市立大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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