内容説明
古代地中海世界における歴史の「転換点」を描く。北アフリカの原住民王国の崩壊の歴史を辿り、ローマ帝国生成の過程を新たな視角から解明する。古代史叙述のパラダイム・チェンジ。
目次
序論 ヌミディアとローマ
第1部 「クリエンテーラ」国家ヌミディア(ヌミディア王国とネゴーティアトーレス(イタリア人事業家たち)
ユグルタ戦争前夜におけるヌミディア社会の陣営配置
「北アフリカ民族誌」(サルスティウス『ユグルタ戦争』第一七‐一九章)と王権の「自画像」
ヌミディア王国の解体)
第2部 アフリカ的土台とカルタゴ的過去(「敵」のイメージ―ポエニ戦争期ローマのカルタゴ/ヌミディア観;ポエニ・カルタゴ的世界とアフリカ・ヌミディア;ナラウアス―カルタゴ傭兵戦争と「ヌミディア人」の原像;ドゥガッタとヌミディア王権―リビア語・ポエニ語併記碑文の分析)
第3部 ローマ支配下における「発展」と抵抗(ローマ帝国と「低開発」―A・ドゥマンと批判者たち;「脱植民地史学」の展開とアフリカの「抵抗」;「ローマの平和」とアフリカ社会;北アフリカにおけるローマ支配の拡大と限界)
結語 ローマ帝国を越えて
著者等紹介
栗田伸子[クリタノブコ]
東京学芸大学名誉教授。1954年生まれ。東京大学文学部(西洋史)卒業。同大学院人文科学研究科修士課程修了(文学修士)。同博士課程中退。東京学芸大学助教授(1996年‐2003年)、同教授(2003年‐2020年)を経て現在に至る。専門は古代ローマ史およびヌミディア、カルタゴなど古代北アフリカ史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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