出版社内容情報
砂に覆われた平坦な大地が広がるナミビア北部、疎らな木々に混じってそびえ立つシロアリ塚。細長い土の塔のような形をしたそれは、やがて形を変えて小さな丘になり、さまざまな生き物が集うこんもりとした森になるという。しかし、叩けば鍬が曲がるほどカチカチの塔の上に、最初の一本の木はどうやって生えるというのか。誰も見たことのない数百年の物語の原点に迫るべくナミビアの広野を踏査した壮大な動物記。
内容説明
砂に覆われた平坦な大地が広がるナミビア北部、疎らな木々に混じってそびえ立つシロアリ塚。細長い土の塔のような形をしたそれは、やがて形を変えて小さな丘になり、さまざまな生き物が集うこんもりとした森になるという。しかし、叩けば鍬が曲がるほどカチカチの塔の上に、最初の一本の木はどうやって生えるというのか。誰も見たことのない数百年の物語の原点に迫るべくナミビアの広野を踏査した壮大な動物記。
目次
1章 始まりはシロアリ塚(アフリカのどこかへ;“最果ての地”の先の村)
2章 緑の傘を差した「土の塔」(シロアリ塚とは?;アフリカで調査を始める ほか)
3章 森を支える小さな丘(“カラハリ砂漠”の中の村;ムヤコ村で調査をする ほか)
4章 アフリカの人びととシロアリ(シロアリ塚の土を使う;美味しいものを生み出すシロアリ塚 ほか)
5章 自然保護区に生きる人びと(生きものの宝庫、ナミビア;「人は動物には敵わない」 ほか)
著者等紹介
山科千里[ヤマシナチサト]
2012年、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(アフリカ地域研究専攻)修了。博士(地域研究)。筑波大学生命環境系特任助教を経て、現在は日本学術振興会特別研究員(RPD)。小さい頃から虫捕りや自然の中で遊ぶことは好きだったものの、大学卒業までは研究ともアフリカとも無縁のサッカーに明け暮れる日々を送る。その一方、自分はいつかアフリカに行くと心の中で決めていたため、「アフリカに行ける」という理由で大学院を選び、進学。入学の3か月後にはアフリカ南西部に位置するナミビで一人調査を始める。“シロアリ塚”は、大学院入学のためにたまたま見つけたテーマだったが、調べていくうちに、豊かな植物相を育み、多くの野生動物が訪れ、人びとの生活にも深くかかわるその存在に魅せられ、現在まで研究を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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