出版社内容情報
フランス第三共和政前期(1870-1914年)を舞台に、議会共和政とは何であったかを問う。議員たちの政治的経歴と政治の専門職化、議員職の兼任、地方議会の「政治化」、議員と有権者との社会的・文化的つながりに焦点を当て、地方議会にまで広がる議会政治の空間を描くことで、議会史を国会のみから語る従来の見方に修正をせまる。
内容説明
議会共和政とは何であったのか。第三共和政前期を舞台に議会共和政の本質を問う。議員の経歴や兼任、地方議会の政治化、議員と有権者のつながりに焦点をあて、議会史を国会のみから語る従来の見方に修正を迫る。
目次
はじめに―議会共和政としての第三共和政
近現代フランス史における「議会史」―第三共和政前期の議会史研究の展開と課題
第三共和政期の議員職とブーシュ=デュ=ローヌ県
第1部 議会共和政と議員たちの世界(議員職の歴任―政治的経歴の形成と歴史的意義;議会活動の規範と「政治の専門職化」―下院における常任委員会制度の導入;議員職の兼任と「議会政治の空間」―ブーシュ=デュ=ローヌ県における兼任をめぐる実践;議員職の兼任をめぐる「自由主義体制」―法的規制と兼任批判の限界)
第2部 議会共和政と地方議会(議会共和政と地方議会の「政治化」―地方議会による「政治的請願」と「議会政治の空間」の形成;市町村議会をめぐる二つの「モデル」―マルセイユ、エクス、アルルを対象に;忘れられた議会―第三共和政前期における郡議会の位置)
第3部 議会共和政と有権者たち(下院議員の選出過程―選挙の実践からみる議会共和政;ブーシュ=デュ=ローヌ県共和派中央委員会と「議会政治の空間」―一八七〇年代初頭~一八八〇年代半ば)
おわりに―「議会共和政」とは何か
著者等紹介
谷口良生[タニグチリョウセイ]
明治大学文学部専任講師。博士(文学)(京都大学)。1987年鹿児島県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了、日本学術振興会特別研究員SPDを経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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