出版社内容情報
人々の生活圏のごく近くに位置し、暮らしと深く関わる身近な海として親しまれる里海。その多様性と生産性はどのようにしてもたらされるのか。日本海の天然の良港、舞鶴湾の奥に位置し50年にわたりフィールド科学の拠点となってきた京都大学舞鶴水産実験所が、里海で築かれてきた人と自然の強固な絆とその恵みを未来につなぐ方策を探る。
内容説明
身近な海の魅力と不思議を探る。京都大学舞鶴水産実験所の新展開。
目次
第1章 里海を支える環境と基礎生産(気象と海象―季節変化と長期変化;栄養塩と植物プランクトン―由良川・丹後海の相互作用 ほか)
第2章 動物プランクトンの細やかな環境応答(カイアシ類と浮遊卵仔魚―逆らわず流されず;アミ類―魚類成育場を支える鍵生物 ほか)
第3章 ベントスの知られざる生活史と多様性(日本海のベントス―多様性と漁業;腹足類を中心とするベントスの生態―遺伝子解析によるアプローチ ほか)
第4章 魚類の生態と里海の利用(日本海の魚類の分布―深海から浅海まで;潜水調査でみた魚の生態―魚類相の季節変化と長期変動 ほか)
第5章 里海の恵みを未来につなぐ(海の京都の漁業―持続的な資源管理・商品開発・人材育成;初めて分かった遊漁の経済的価値―釣り人目線で海の資源を考える ほか)