出版社内容情報
西洋の衝撃が東アジアにもたらした近代。言葉・文化・規範の壁を乗り越えて文明圏再編を担った啓蒙家らの苦闘と思想の往還。
内容説明
東アジアを往還した思想の系譜。幕末期、西周や津田真道の洋学の導入から、中江兆民の翻訳、福沢諭吉・内藤湖南の国民意識の形成、そして、日本を経由して清朝に近代を移植しようとした希代の言論家・梁啓超―グローバリズムにより新たな世界の形が拓かれつつある現代、その元図となる文明圏形成を振り返る。
目次
第1部 近代東アジア文明圏形成史(西周のオランダ留学と西洋近代学術の移植;中江兆民『民約訳解』の歴史的意義について;京都における番組小学校の創設と「万国公法」;福沢諭吉・内藤虎次郎による帝国主義的国民性の形成)
第2部 文明圏形成の功労者 梁啓超(「新民説」略論;「明治日本」と梁啓超研究;梁啓超にとっての譚嗣同―イデオロギーによる呪縛とそれからの逃脱;譚嗣同『仁学』の刊行と梁啓超;清朝の立憲準備と梁啓超による上奏代作;『梁啓超年譜長編』について)
著者等紹介
狹間直樹[ハザマナオキ]
京都大学名誉教授。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学、博士(文学)。京都大学人文科学研究所助教授、教授を歴任。のち京都産業大学客員教授。専門は中国近現代史。日本孫文記念館名誉館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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