出版社内容情報
原子力,宇宙開発,先進医療―20世紀,科学技術に心踊らせた我々の憧れは,「心を勝ち取る」冷戦に駆動されたものでもあった。
内容説明
私たちが心ときめかせ、あるいは切望した科学技術。原爆から「平和の火」に変えられた原子力、そして原子力に暗雲がかかると、憧れの対象は月着陸のドラマとなり、あるいは先進の医療となった。第三世界の人々の夢も、そうした憧れに駆動された。しかしそれらの夢は、実は冷戦の時代、東西陣営による「世界の心を勝ち取る戦い」として科学が利用された結果と言ってよい。雑誌の表紙を飾る宇宙飛行士とその妻の表情や服装さえも「心を勝ち取る」ために演出された、文化冷戦の実態に鋭く迫る。
目次
第1部 文化冷戦と該・原子力(文化冷戦と原子科学者たち―「文化自由会議」と『原子科学者会報』;「フォーリン・アトムズ・フォー・ピース」と研究用原子炉の輸出;原子力の留学生たち―アルゴンヌ国際原子力科学技術学校;太平洋の核実験をめぐる逆説の対外情報プログラム)
第2部 新たな対外情報プログラムの展開(「アトムズ・フォー・ピース」から「サイエンス・フォー・ピース」へ;「ホープ計画」に見る医療援助政策;新たな対外情報プログラムとしての宇宙開発)
著者等紹介
土屋由香[ツチヤユカ]
京都大学大学院人間・環境学研究科教授。メリーランド大学歴史学研究科修士課程、ミネソタ大学アメリカ研究科博士課程修了。広島大学総合科学部助手、愛媛大学法文学部准教授、同教授を経て2017年より現職。博士(アメリカ研究)。専門・関心は、20世紀アメリカ史、冷戦期のアメリカ広報文化外交・科学技術外交(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Go Extreme