出版社内容情報
カルタゴに大敗したローマは敵側へ転じた諸都市とも干戈を余儀なくされ、続く戦局は次世代の指揮官を待望しはじめる。(全14冊)
内容説明
カンナエの戦いでカルタゴの名将ハンニバルに大敗を喫したローマは、敵側へなびいた諸都市とも干戈を交えることを余儀なくされる。忠実な同盟者ヒエロン王亡き後のシュラクサイ攻囲では、アルキメデス考案の新兵器に苦しめられる一方、ヒスパニアではハスドルバルら率いるカルタゴ軍にスキピオ兄弟が相次いで討たれ、戦局は次世代の指揮官の登場を待望しはじめる。本邦初完訳。
目次
第二三巻
第二四巻
第二五巻
著者等紹介
安井萠[ヤスイモユル]
岩手大学教育学部准教授。1964年東京都生まれ。1992年東北大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。2004年東北大学博士(文学)。2007年東北大学文学部助手などを経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
5
歴史上最も記憶されるべき戦争と呼ばれる第二次ポエニ戦争はハンニバルの攻勢に対して、ローマのマルケッルスはファビウスの持久戦から小規模な戦いを仕掛けてカルタゴ軍との長い膠着状態を作る。一方でローマはカルタゴ側についた同盟国シュラクサや、属州ヒスパニアでのマケドニア軍との戦いを強いられる。多方面でのローマの苦戦にもかかわらず、本巻の描写が躍動するのは、元老院が決定権を握り、権力を強めた時期だからだろうか。元老院中心の共和政を回顧的に語る著者の堕落史観の始点となる頂点は、戦火の激しいこの3世紀末のように思える。2022/07/17