出版社内容情報
ヒトにとって死は不可避だが、明確な死をもたない生物も数多く存在する。一体何がこの違いを分けたのか。究極の謎をとことん考える。ヒトは死ぬことができるように進化した?! すべてのヒトはいずれ死ぬが、大腸菌は条件さえ整えば半永久的に増殖し続ける。一方同じ単細胞生物でもゾウリムシは一定の分裂回数という“寿命”をもち、有性生殖によるリセットを繰り返す。いったい何が、老死をもつ生物ともたない生物を分けたのか。生物の基本単位である細胞を基点とすることで、生物の多様な生のあり方と、その進化の鍵を握る暴走性と抑制系のせめぎ合いが見えてくる。生命の本質をとことん考える一冊。
はじめに
第?部 個体と細胞の「生老死」
第?章 個体発生と生老死
1 受精卵からの出発
2 受精卵から分化細胞へ
3 細胞分裂の暴走性:2nでの増加
4 暴走的細胞分裂の制御
コラム? ダ・ヴィンチ画の天使の翼
コラム? 数の数え方
コラム? ゾウリムシの変身
第?章 個体の寿命と細胞の寿命
1 多細胞個体から解放された細胞の寿命
2 単細胞生物ゾウリムシの寿命
3 無性生殖は常に老・死で終わるか?
4 有性生殖と寿命
5 老死という「生」のあり方
第?部 “いのち”のつながり
第?章 “いのち”の実体
1 遺伝子とは何か?
2 形質とは何か?
3 遺伝子はどのように形質を支配するか?
4 “いのち”を支えるエネルギー通貨ATP
コラム? 元素・生元素・生体高分子
コラム? ナンバーワンとオンリーワン
コラム? 仮想の「英文暗号表」
コラム? 真実・現実・事実
第?章 “いのち”のつなぎ方:無性生殖と有性生殖
1 無性生殖と有性生殖の違い
2 ゾウリムシの有性生殖
3 有性生殖のエッセンス
4 有性生殖の起原
第?章 “いのち”の起原
1 細胞の歴史性
2 「細胞は細胞から」の唯一の例外
3 原核細胞から真核細胞へ
コラム? 神話を生む「脳力」
コラム? トム・チェックの講演
第?部 「老死」の進化
第?章 有性生殖と老・死
1 進化するとはどういうことか?
2 無性生殖の永続性
3 真核細胞は無性生殖のみでは生きられないのか?
4 単為生殖の意義
コラム? 俳句の世界から散文の世界へ
第?章 老死の誕生と抑制系の進化
1 老化・死は進化の産物であるとなぜ言えるのか?
2 なぜ「老死」が進化しえたのか?
3 ゾウリムシの死に方
4 進化したのは抑制系
コラム? 自然淘汰 vs. 自然選択
おわりに(般若心経と進化論)
あとがき
参考文献
索引
高木 由臣[タカギ ヨシオミ]
著・文・その他
内容説明
ヒトは死ぬことができるように進化した?!すべてのヒトはいずれ死ぬが、大腸菌は条件さえ整えば半永久的に増殖し続ける。一方同じ単細胞生物でもゾウリムシは一定の分裂回数という“寿命”をもち、有性生殖によるリセットを繰り返す。いったい何が、老死をもつ生物ともたない生物を分けたのか。生物の基本単位である細胞を基点とすることで、生物の多様な生のあり方と、その進化の鍵を握る暴走性と抑制系のせめぎ合いが見えてくる。生命の本質をとことん考える一冊。
目次
第1部 個体と細胞の「生老死」(個体発生と生老死;個体の寿命と細胞の寿命)
第2部 “いのち”のつながり(“いのち”の実体;“いのち”のつなぎ方:無性生殖と有性生殖;“いのち”の起原)
第3部 「老死」の進化(有性生殖と老・死;老死の誕生と抑制系の進化)
著者等紹介
高木由臣[タカギヨシオミ]
1941年生まれ。理学博士。奈良女子大学名誉教授。1965年静岡大学卒業、京都大学大学院理学研究科入学。1969年同博士課程中退、京都府立医科大学教養課程助手、講師(1974)。1975年奈良女子大学理学部助教授、教授(1994)、理学部長(2000)。1981年ワイオミング大学(米)・ミュンスター大学(独)客員研究員。1988年日本動物学会論文賞。2005年奈良女子大学定年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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