出版社内容情報
クテシアス/阿部拓児 訳;0201;02;前5~4世紀に活動したギリシア人史家による作品集。自身の見聞に基づく記録は、オリエント史においてヘロドトスの伝統を継ぐもの。;20190301
内容説明
ギリシア人史家が自身の見聞に基づいて記録した、ヘロドトスの伝統を継ぐオリエント史。本邦初訳。
目次
証言
断片(『ペルシア史』;『インド誌』;その他の作品)
著者等紹介
阿部拓児[アベタクジ]
京都府立大学文学部歴史学科准教授。1978年愛知県生まれ。2008年京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。京都大学博士(文学)。2012年日本学術振興会海外特別研究員(リヴァプール大学・ライデン大学)を経て、現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
7
史実という一次資料的フィルタを脇に置くと、本書は当時の情報ネットワークのあり方を保存するかに思える。紀元前5世紀にペルシアの捕虜となった著者は医師として当地に留まり、ペルシアやインドその他に関する見聞を記した本書だが、楔形文字で書かれた歴史が既に存在した当地の歴史家から近代に至るまで批判の的になった。が、当時のペルシアの自国理解の様子や宮廷人の東方に関する見方を保存した資料として読むと、過去や異界に関するバイアスを取り入れつつも(特にインドの怪物達)、見聞きした物事を訥々と記述する著者の筆致が垣間見える。2022/06/05