出版社内容情報
◆ふしぎで、うつくしくて、こわい◆
うつくしさの中に漂う不穏な気配、どこかへ迷い込むふしぎな感覚…….。
こわいけど、そっと触れたくなる。そんなホラーの特集です。
【対談】
「安房直子の世界――不安の手ざわり」
蜂飼耳×前田ひさえ
【わたしのこわいもの】
青山美智子
大森時生
大森望
かわさきしゅんいち
岸本佐知子
こみねゆら
齋藤陽道
しおたにまみこ
高楼方子
永井玲衣
林木林
緑川聖司
安田登
山本ゆり
【創作】
「十一人の遊ぶ?燭」マーサ・ナカムラ
「神童」昼田弥子/早川世詩男 絵
「集合に集合」木下龍也/岡野賢介 絵
「ホテル・カリタス」小森香折/たけもとあかる 絵
「夏山の雪」いしいしんじ/植田たてり 絵
【ブックガイド】<
「ホラーの魅力」金原瑞人
*刊行記念『65人のこどものはなし』のはなし*
「とびきりカラフルな花束」八木寧子
■連載
偏愛映画コラム「子どもたちによろしく+(16)」長崎訓子
短編「探偵は優柔不断(新連載)」有沢佳映/あわい 絵<
短編「きみがうたうとき(最終回)」桑原亮子/坂内拓 絵
マンガ「さんぱつやきょうこさん(81)」長谷川義史
■BOOKS
〈絵本〉及川賢治(100%ORANGE)/〈児童書〉安藤由希/〈YA〉小島敬太/〈大人の本〉幅允孝
■公募
第71回 作品募集結果発表 選者 石井睦美/川島誠
■前号を読む
旦悠輔
■表紙
出久根育
■出版社からのコメント■
こわいものってなんだか魅力的。その魅力の正体はなんでしょう。
ホラーの魅力たっぷりの特集をぜひお楽しみください。
【目次】
はじめに
賽の河原=和製の地獄/供養について考える/あの世とこの世/この世中心の世界/本書の構成
第1章 口寄せとは何か
1 「イタコ」の成立
近代以前の口寄せ/シャーマン日本代表
2 口寄せの実際
イタコの商売/口寄せには型がある/イタコになるには/イタコはシャーマンか/イタコの意識
3 なぜ口寄せは死者の言葉になるのか
口寄せの条件/真偽を超えて/イタコの現状
第2章 供養と賽の河原
1 供養とはなにか
仏典由来の「供養」/「供養」の民俗的用法/廻向という思想
2 「日本人のあの世観」とはなにか
あの世のイメージ/「成仏」という問題
3 人形供養
人以外に対する供養/人形供養/供養は死を与える
4 賽の河原の物語
地蔵と子ども/賽の河原の初出/「賽」とはなにか/唄にみる賽の河原
5 なぜ石を積むのか
近世の人口政策/善行としての石積み/封印としての石積み/生活宗教
第3章 津軽の地蔵と川倉賽の河原の祭り
1 津軽地方の地蔵
津軽には2種類の地蔵がある/地蔵を祀る
2 川倉賽の河原地蔵尊
川倉賽の河原への案内/大祭/『東奥日報』の記事より
3 供養か娯楽か
イタコの登場/イタコが消える/供養であり、娯楽である
第4章 あの世で成長する子ども
1 花嫁人形供養
花嫁人形供養の研究史/ムカサリ絵馬と巫者との関係/奉納の詳細/奉納数の変化
2 死者の成長
何歳までが「子ども」か/未完成霊/死者は成長する/卒業証書の事例から
3 死者を死者にする
わからないから、ありがたい/口寄せの型/葬儀の意味
4 変わる口寄せ
なぜ口寄せはつづくのか/変化の中で
第5章 生活の中の死者
1 仏壇を考える
仏壇と信仰/なぜ仏壇があるのか(その1)/なぜ仏壇があるのか(その2)
2 継続する絆
グリーフケアの観点から/グリーフの乗り越えモデル/継続する絆へ/手元供養
3 なぜ仏壇だけではだめなのか
位牌の意味/遺影/遺影をどこに置くのか/死者が近くにいること
4 個人の悲嘆を支える
天然のメモリーボ