出版社内容情報
人間関係が上手くいかず不登校になった高校生の蘭。真夜中の公園に行くのが日課で、そこにいる間だけは“大丈夫”と自分のことを無理やり肯定できたけれど、本当は空っぽの日々が怖くて仕方なかった。ある日、その真夜中の公園で、蘭は高校生の綺に突然声を掛けられる。「話をしに来たんだ。とりあえず、俺と友達になる?」始めは鬱陶しく思っていた蘭だけど、日を重ねるにつれて二人は仲を深めていき、蘭は少しも“大丈夫”と思えなかった毎日を、本当の意味で愛しく感じるようになる。「逃げたっていい。ちょっとしたことが生きる意味になるから」悩んで、苦しくて、かっこ悪いことだってある日々の中で、ちょっとしたきっかけで前を向いて生きる姿に勇気が貰える青春小説。
内容説明
履きなれたスニーカー。半袖の上に羽織る、夜の肌寒さを考慮したパーカー。イヤフォンとスマホは人生の必需品。帰りがてらアイスが食べたくなった時のための、予備の500円。それから―17歳の私。全部、夜を越える武器になる。きみの物語が、誰かを変える。小説大賞大賞受賞作!
著者等紹介
雨[アメ]
きみの物語が、誰かを変える。小説大賞で、本作が大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひなた💙🧸
19
友達に貸してもらい、初めて読んだスターツ出版。これが心に残ったからこそ他の本たちと出会えました。鬱というのがとても怖いことがわかりました。2023/06/05
はじめさん
12
「きみの物語が、誰かを変える。小説大賞」受賞作。高校の女子グループをハブられ不登校となったJK。深夜に親の許しを得て徒歩5分の公園で夜空を眺めるのが日課。徘徊不良少女発見と声をかけてきた男子との逢瀬、公園近くのコンビニバイト男子大学生や、かつてハブられたグループのなかの1人との文通からの和解…学業から離れた夜の世界から、じょじょに昼に会ったりと再生への道。/ 巻末の出版物ズラリから、なんか息苦しさを感じたティーンに「ええんやで」と寄り添うスターツ系とジャンル分けできそう。いまの若者、SNSでしんどいもんな2023/03/25
Nori
2
学校であった友人とのトラブルにより学校に行けなくなった女子高生は真夜中の公園に出かけるようになる。そして、そこで一人の少年と出会い…。ありのままの自分を肯定することを許してくれるそんな物語でした。個人的には、コンビニバイトの「真夜中さん」が一番好きでした。2024/06/13
寿々喜節句
2
青春小説。現代のこの心を描いている。不器用でも良いじゃないかと思える。2024/01/30
まな
1
とあるきっかけで不登校になった蘭。夜を越えるために過ごしている公園。ちょっとの出会いや考え方、そういったきっかけで何かの勇気がもらえることもある。そういうことが優しく描かれている作品だった。誰しもが言わないだけで心の中にきっと何かを留めているのだと思う。2023/01/29