出版社内容情報
谷崎青衣は天真爛漫なクラスメイト・平本亜鳥の秘密を知っている。それは彼女が“大切な記憶”ほど忘れてしまう病を患っていること。秘密を知られている青衣だからこそ気軽に接することのできる亜鳥。ふたりの関係はやがて恋心に発展していく。思い出を失くしたくないという亜鳥に対し「一緒に思い出たくさん作って、忘れる暇がないくらい楽しい記憶で埋め尽くそうよ」と彼女へ思いを伝え、障壁を乗り越えていくふたりだったのだが、青衣にも重大な隠し事があり――。秘密を抱えたふたりの二度と忘れられない恋物語。
内容説明
谷崎青衣は天真爛漫なクラスメイト・平本亜鳥の秘密を知っている。それは彼女が“大切な記憶”ほど忘れてしまう病を患っていること。秘密を知っている青衣だからこそ気軽に接することのできる亜鳥。ふたりの関係はやがて恋心に発展していき、思い出を失くしたくないという亜鳥に対し「一緒に思い出たくさん作って、忘れる暇がないくらい楽しい記憶で埋め尽くそうよ」と彼女へ思いを伝える。障壁を乗り越えていくふたりだったのだが、青衣にも重大な隠し事があり―。秘密を抱えたふたりの二度と忘れられない恋物語。
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COSMOS本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
22
病院で偶然、天真爛漫なクラスメイトの平本亜鳥と出会い、その秘密を知ってしまった谷崎青衣。秘密を抱えたふたりの二度と忘れられない恋物語。多くのクラスメイトにも話していない、脳の病気で大切な記憶ほど忘れてしまう秘密を青衣に語る亜鳥。秘密を共有したことで気軽に接してくる亜鳥を意識するようになり、恋心に発展していく2人。思い出を失くしたくないという亜鳥を、忘れる暇がないくらい楽しい記憶で埋め尽くそうとしたその後の展開は何とも皮肉でしたけど、彼女のために自分にできることを懸命に考えるやるせなくも素敵な物語でしたね。2025/05/07
和尚
19
とても良かったです。 楽しいと感じた記憶だけが失われてしまう病を抱えている、そんなヒロインの事情を知った主人公。 ふとした言動が彼女に与える影響を知りながら、それでも何とかしようと頑張る等身大が良いなと思いながら読み進め、二人の関係が微笑ましかったです。 そしてタイトルから少しだけ、もしかしてと頭の片隅で思っていたのですが後半の展開ですよ。そこからはタイトルの意味が更に心に来て…… 表紙も内容も相互に合う綺麗な物語でした。 2025/04/13
なみ
11
高校生の谷崎青衣は、クラスメイトの平本亜鳥が、楽しかったことだけを忘れてしまうという秘密を知る。 亜鳥が忘れてしまうことも覚えていると約束する青衣だが、彼の方にも隠し事があって──。 大切な思い出が消えて、苦しい記憶や悲しい記憶だけが残ってしまうというつらい状況なのに、明るく生きている亜鳥の姿がとても素敵でした。 デートシーンの2人が自然体で、すごく幸せそうで、だからこそ終盤の切なさが際立っていたように思います。2025/06/13
栗山いなり
7
楽しい思い出を忘れてしまう病を抱えた少女と秘密を抱えた少年の恋を描いた青春小説。まさか難病ものだとは思わないじゃねーかよーって思いながら読んでた。年のせいなのか知らんけどこういうの読むたびにやるせなくなる2025/04/17