内容説明
中学生の時に起こったある事件がトラウマになり、人前でうまく喋れなくなった和奈。高校では、少ないながらも仲のいい友達に囲まれて平和に過ごしていた。しかしバイト先でトラウマの元凶である央寺と再会してしまう。あまりにも挙動不審な和奈をほっとけない央寺は、毎晩電話で話す練習をしようと提案する。嫌々始めた練習のはずが、和奈は徐蕨に心を開いている自分に気づき―。不器用な恋にきっと誰もが勇気をもらえる一冊!
著者等紹介
麻沢奏[アサザワカナ]
2011年、イアム名義で『放課後図書室』にて第5回日本ケータイ小説大賞特別賞を受賞し書籍化(スターツ出版刊)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヒロロシ33
51
面白かった なにやってもうまくいかない気持ち分かる。 2019/07/04
吊り太郎
27
中学生の時に起こったある事件がトラウマになり、人前でうまく喋れなくなった和奈。高校では、頼子という頼れる友達もでき、平和に過ごしていた。バイトを始めた事でトラウマの元凶になった央寺と再会する。挙動不審過ぎる和奈に央寺は、話す練習をしよう毎日電話を始める!この話す練習をきっかけに和奈は、徐々に話せる様になって行くが、変わって行く中で、他人の目を気にしてまた「私なんか」と卑屈な和奈に戻ってしまい素直な気持ちを伝えられない。頼子や回りの人達と話す事で「やるかやらないか」の二択だと変わる決意をし思いを伝える!!2019/01/12
しお
20
再読。変わりたいと言いながら、傷つくのが億劫で踏み出そうとしない。それを人のせいにして、心の中ではこのままでいい、と思ってしまっている。ぜんぶ、自分に言われている言葉のように思えた。「「できるかできないか」じゃなくて、「やるかやらないか」」和奈の第一歩に涙が出た。2020/01/04
しお
18
立ち止まっているうちは、些細なことが気になって仕方がない。でも、1歩踏み出してしまえば、それまで気にしていたことなんか、どうでもよくなってしまうもの。そんなこと言われたって、臆病者の私は自分を変えることなんてできないけど、前向きな気持ちにはなれた。主人公には激しく共感するけど、少し羨ましい。うまくしゃべれないのなんて必死に隠さなきゃいけないし(隠しきれていないけど)、感情を表に出すなんて絶対できない。私には央寺くんのような人もいないし。でも、かなり面白かったなあ。おすすめ。2019/01/07
sakadonohito
14
中学時代の出来事が発端となり人付き合いが極端に苦手となり非常に消極的な日々を送る主人公は中学時代好きだった人に再開し......引込み思案になってしまっている若い人にはいい読み物になるかもしれませんね。人付き合いにおける臆病と億劫の違いを指摘する会話や歳を取れば昔の失敗は笑い飛ばせると言う店長の話など、自分の殻に籠りがちな人を励ますような作品でしょう。2023/02/28