内容説明
自分の気持ちを伝えるのが苦手な文香は嘘をついて本当の自分をごまかしてばかりいた。するとクラスメイトの拓海に「嘘ばっかりついて疲れない?」と、なぜか嘘を見破られてしまう。口数が少なく不思議な雰囲気を纏う拓海に文香はどこか見覚えがあった。彼と接するうち、自分が嘘をつく原因が過去のある記憶に関係していると知る。しかし、それを思い出すことは拓海との別れを意味していた…。ラスト、拓海が仕掛けた“優しい嘘”に涙が込み上げる―。
著者等紹介
いぬじゅん[イヌジュン]
2014年3月、「いつか、眠りにつく日」で第8回日本ケータイ小説大賞を受賞し、書籍化。また「北上症候群」がOtoBonソングノベルズ大賞~音楽を感じる小説~DREAMS COME TRUE編にて入選、電子書籍化された(エムオン・エンタテインメント刊)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
相田うえお
117
★★★☆☆19035 本作品、父親の度重なる転勤、さらには両親の離婚で転校を余儀無くされた女子高生が主人公。彼女は傷付くことが怖くて度々ウソで回避する様になってしまったのですが、本当は過去に何らかの原因が!不思議な男子同級生によって徐々に明らかになっていく過去の謎〜みたいな話です。『ウソはいけないことだけれど、相手のためを思ってつくウソは、やさしい色をしてるんだよ。やさしいウソは人を救うんだよ。だれかのことを思ってつくウソは、ひょっとしたらまちがいじゃないのかもしれない。そう思うんです。』うん、うん!2019/04/18
hundredpink
39
唯一の不満はパクリのようなタイトル。素敵な物語でした。 空からウソがふる。2018/05/03
桜📕のベルズ
24
あれ? と思っているうちに、謎が解けてしまっていた。文ちゃんの記憶がごっそり抜けていた部分が開いたとき、なるほどな、と。誰も皆ウソをつきたくてついてるんじゃない。それは言い訳だったり、隠してしまいたいことだったり。でも、相手のことを思ってつくウソは、相手を救うことができることもある。嘘も方便っていうのはこういうことなんだろうな。2021/04/05
ami*15
16
文香の性格が個人的には苦手で、またオチも結構この手の作品ではありがちな感じだった点が他のいぬじゅんさん作品に比べるとあまりだったかな。だけど嘘をつくことは悪い印象がありますが、時には自分のついた嘘が誰かにとっての救いになることもあるんだなということをこの物語から教えてもらいました。 全体的にはもやっとした感じでしたが、読み終わった時はちょっぴり心が温かくなった感じがしたかも?2017/09/11
Mori
11
嘘をつくことの辛さから始まる物語。その凝り固まった殻が、1枚、また1枚と剥がれていく感じが心地よかった。誰かを大切に想うけれど、自分にできることが夢のある嘘をつくことだけしかないとき、きっと誰しもが躊躇なんてしないだろう。そしてそのことを責める口実を僕は持ち合わせない。2017/08/20