内容説明
14歳の折原安音は、クラスメイトからのいじめを苦に飛び降り自殺を図る。死んだ直後に目覚めると、そこには天使が現れ、天国に行くか地獄に行くか、49日の間に自分で決めるように言い渡される。幽霊となった安音は、霊感の強い同級生・榊洋人の家に転がり込み、共に過ごすうちに、死んで初めて、自分の本当の想いに気づく。一方で、安音をいじめていたメンバーも次々謎の事故に巻き込まれ―。これはひとりの少女の死から始まる、心震える命の物語。死んで初めて辿り着いた真実とは―。思いもよらない圧巻のラストに号泣!
著者等紹介
櫻井千姫[サクライチヒメ]
1985年生まれ。『天国までの49日間』は2008年に書き上げられ、第5回日本ケータイ小説大賞にて応募総数9,116作の中から大賞を受賞し、作家デビュー。その後、フリーライターに転身。現在、webを中心に小説やコラムを執筆している。最近は開運アドバイザーとしても活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みーちゃん
106
いじめをきっかけに自殺をした14歳の、折原安音。そして、天国に行くか、地獄に行くかを決める49日間が与えられる。 いじめとは何か、とても考えされられました。 いじめをするのは悪いことだけれど、いじめをする人は、過去に辛いことがあり、そういう人が、自分もいじめられたくないと考える人と、いじめをつくってしまうのだと思います。 私は、安音と榊との悪霊退治の場面が好きです。 いじめはすぐになくならないけれど、この本をきっかけに、いじめが少しでもなくなってほしいです。2021/02/05
Comit
76
Kindle Unlimited~いじめが原因で自殺してしまった14歳の安音。行く先は天国か地獄か…“49日”は、その猶予期間。すでに亡くなった者の立場から、いじめを見つめ、当事者達の言動、自分の変わりゆく気持ちに気付く。残されたものは事実をうけとめ、二度と同じ事が繰り返されないよう切に願い、これからを生きる~赦すしかない…自分の子どもに同じ事が起きた時、このような行動がとれる自信はない~いじめ問題を提起する中高生向けの本ですが、保護者世代が読んでも感じるところのある一冊です。2021/05/03
とろこ
68
イジメによる自殺という、重いテーマを扱っているケータイ小説のリニューアル版(縦書き)。だが、心霊現象やら恋愛やら、イジメていた者とイジメられていた者の和解やら、色々と詰め込み過ぎたためか、表層的な感は否めない。イジメの描写は吐き気を覚える。読後感は悪くはないのだが、主人公である安音をいい子に描き過ぎている気がした。また、イジメに対する考えも、綺麗事というか理想論というか、今まさにイジメに苦しんでもがいている人々にとっては、なんの救いにもならないように思えた。2017/12/21
dr2006
64
虐めを苦に飛び降り自殺した14歳の折原安音の49日間の物語。中学生に限らず世の中から虐めは決して無くならない。でも、自死を減らすことは出来るはず。きっとこの作品は今虐める側にいるの人は読まないと思う。一方で虐められている人が読めば、荒れたココロに寄り添うと思う。後悔は絶対に先に立たない。みんなほんの少しで良いから相手の気持ちを想像し寄り添うことが出来たら良いのにね…。49日間、安音に寄り添ってくれた同じクラスの榊洋人に、安音が「榊、生きてね。あたしの分まで頑張って生きてね」と云ったシーンにグッと来た。2020/11/29
Takeshi Kambara
52
虐めを苦に自殺した少女が浮遊霊となって地上で最後の49日間を過ごすお話。表紙絵や裏表紙のあらすじ、帯の文句から想像した内容と違うと感じた事はこれまでに何度もあったが本作はキングオブ予想外の内容だったw一部の人にしか分からない例えだが「あの花」みたいなのを想像してたら「地獄先生ぬ~べ~+幽遊白書」だった!みたいな。虐めという重いテーマがストーリーの根幹にありながらバトルシーンが存外に多く驚いた。面白かったし少しだけ感動したのだが本作を心から楽しむには私はどうやら歳を重ねすぎてしまったようだ(笑)2017/11/23