内容説明
親や学校、すべてにイライラした毎日を送る中2の百合。母親とケンカをして家を飛び出し、目をさますとそこは70年前、戦時中の日本だった。偶然通りかかった彰に助けられ、彼と過ごす日々の中、百合は彰の誠実さと優しさに惹かれていく。しかし、彼は特攻隊員で、ほどなく命を懸けて戦地に飛び立つ運命だった―。のちに百合は、期せずして彰の本当の想いを知る…。涙なくしては読めない、怒涛のラストは圧巻!
著者等紹介
汐見夏衛[シオミナツエ]
仕事に余裕が出てきた2013年頃より趣味として小説を書き始める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さてさて
489
私たちは忙しい日常を生きる中で、かつてこの国であったこと、そんな時代に生きた人達が何を思いながら死んでいったかを考えることはありません。しかし、私達が今日をこの国に生きていることの裏側に、たくさんの人々の犠牲と苦しみがあったことは決して忘れてはいけないのだと思います。たくさんの人々が素晴らしい未来を残してくれたことを忘れてはいけないのだと思います。偶然にもこの作品を手にしたことで、はからずも、そんなたくさんの人達がこの国の未来に願ったことに思いを馳せる機会をいただきました。汐見さんありがとうございました。2021/12/11
馨
441
中2で反抗期の百合が昭和20年にタイムスリップする戦争小説。色んな特攻の話をひとまとめにしてアレンジしたような内容。ツルさんは鳥濱トメさんのイメージか。憲兵に盾突き好き放題言って周囲の人を傷つける百合に腹が立ったが、国の為に若者が犠牲になり死んで守る精神は現代人に無いからあんな感じかなとも思います。最終的に百合が、特攻隊員たちが守ってくれた、願っていた明るい未来が今なのだと気づいてくれて良かったです。当時の特攻隊員って若いのに皆大人だったから、彰がかっこよすぎて百合には眩しすぎる存在だったろうと思います。2021/05/13
おしゃべりメガネ
249
いい意味でイメージどおりの作品でした。何かと反抗的な態度で、日々の生活に嫌気がさしている中2の女の子「百合」はシングルマザーの母親ともイマイチうまくいっていない。ある日、教師にたてつき、教室を飛び出し、家にも帰れなくなった彼女は戦時の名残りの防空壕で一晩を過ごすとそこは戦時中の世の中へとタイムスリップしてしまいます。そこで出会った特攻隊員「彰」らとの出会いが彼女の生き方を大きく変えるコトになります。ベタといえばベタで、王道といえば王道ですが戦時の話が風化されつつある昨今で、とても大切な作品になりますね。2020/09/26
breguet4194q
232
なぜ人気があるのか、ぼんやり考えてました。ただの恋愛小説ならありきたりなベタな内容ですんでしまうが、時代背景をこういったアプローチで学ぶ事は、戦争を知らない世代には非常にいいと思いました。2020/09/09
ちくわ
204
乙女が好きそうな恋愛小説をえぇ歳こいたオッサンが読んでみた。冒頭でタイムスリップモノだと理解…普段小説を読まない展開予測能力ゼロの自分にでも、話の筋が凡そ想像出来た…こりゃ暇潰しにはならんかも!? 感想…泣けた。純粋に泣けた。オレも中学時代は一緒に下校する15分だけで、永遠の愛を感じていたんだよなぁ…。薄汚れたオッサンになってしまった現在、あの頃のようにキスだけで逝ってしまう感覚は絶対に取り戻せないが…その感覚を束の間思い出せただけでも、この物語を読む価値があったように思う。全国の乙女達、精一杯恋しなよ!2025/09/21