内容説明
親や学校、すべてにイライラした毎日を送る中2の百合。母親とケンカをして家を飛び出し、目をさますとそこは70年前、戦時中の日本だった。偶然通りかかった彰に助けられ、彼と過ごす日々の中、百合は彰の誠実さと優しさに惹かれていく。しかし、彼は特攻隊員で、ほどなく命を懸けて戦地に飛び立つ運命だった―。のちに百合は、期せずして彰の本当の想いを知る…。涙なくしては読めない、怒涛のラストは圧巻!
著者等紹介
汐見夏衛[シオミナツエ]
仕事に余裕が出てきた2013年頃より趣味として小説を書き始める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さてさて
472
私たちは忙しい日常を生きる中で、かつてこの国であったこと、そんな時代に生きた人達が何を思いながら死んでいったかを考えることはありません。しかし、私達が今日をこの国に生きていることの裏側に、たくさんの人々の犠牲と苦しみがあったことは決して忘れてはいけないのだと思います。たくさんの人々が素晴らしい未来を残してくれたことを忘れてはいけないのだと思います。偶然にもこの作品を手にしたことで、はからずも、そんなたくさんの人達がこの国の未来に願ったことに思いを馳せる機会をいただきました。汐見さんありがとうございました。2021/12/11
馨
417
中2で反抗期の百合が昭和20年にタイムスリップする戦争小説。色んな特攻の話をひとまとめにしてアレンジしたような内容。ツルさんは鳥濱トメさんのイメージか。憲兵に盾突き好き放題言って周囲の人を傷つける百合に腹が立ったが、国の為に若者が犠牲になり死んで守る精神は現代人に無いからあんな感じかなとも思います。最終的に百合が、特攻隊員たちが守ってくれた、願っていた明るい未来が今なのだと気づいてくれて良かったです。当時の特攻隊員って若いのに皆大人だったから、彰がかっこよすぎて百合には眩しすぎる存在だったろうと思います。2021/05/13
おしゃべりメガネ
238
いい意味でイメージどおりの作品でした。何かと反抗的な態度で、日々の生活に嫌気がさしている中2の女の子「百合」はシングルマザーの母親ともイマイチうまくいっていない。ある日、教師にたてつき、教室を飛び出し、家にも帰れなくなった彼女は戦時の名残りの防空壕で一晩を過ごすとそこは戦時中の世の中へとタイムスリップしてしまいます。そこで出会った特攻隊員「彰」らとの出会いが彼女の生き方を大きく変えるコトになります。ベタといえばベタで、王道といえば王道ですが戦時の話が風化されつつある昨今で、とても大切な作品になりますね。2020/09/26
machidataketomo
201
なるほど~この本は小学生~高校生、または大学生に読んでほしいですね。 修学旅行とかで特効基地見学の前に読んでおくと展示物への見方、感情が変わると思います。 子供には百田尚樹さんの「永遠のゼロ」の前にこの本を先に読んで欲しい。特攻隊をあまり詳しく知らない子供たちの初めて手がかりになる本です。2022/08/12
のりすけ
190
WOWOWにて映画が放送されたため、積読の山を崩して原作を読んだ。ライトなタッチなので中高生には読みやすそう。いろいろツッコミ所はあるが、当時を知らない若い層がちょっとでも関心持ってくれるなら、それはそれでいいのかかもね。映画は少し変えてあるので、どちらが良いかは人それぞれ。2025/01/21