内容説明
日本仏教史に燦然と輝く五つの巨星の人間像と苦汁に満ちた求道の生涯を力強く描く。現代人に苦難を雄々しく乗り越え、心豊かに生きる道を示してくれる。
目次
第1章 空海―永遠に生きる万能の超人(新時代の息吹き;仏教への覚醒 ほか)
第2章 最澄―求法の王道を歩む(宗教界の巨峰;山に登る ほか)
第3章 親鸞―苦悩の果ての歓喜(乱世と末法;清僧親鸞 ほか)
第4章 道元―身心脱落の軌跡(無常に思いをひそめて;大陸仏教への憧れ ほか)
第5章 日蓮―不退転の『法華経』行者(日蓮の足跡;生涯を決めた疑念 ほか)
著者等紹介
百瀬明治[モモセメイジ]
1942年、長野県生まれ。京都大学文学部史学科卒業。『表象』同人。『季刊歴史と文学』編集長を経て作家活動へ。日本史へのユニークな視点で読者の期待は高い
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感想・レビュー
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isao_key
10
日本を代表する空海、最澄、親鸞、道元、日蓮の5名の高僧について、生い立ちや人生、宗教観などについて詳しく書かれている。著者は歴史作家とあるが、仏教についての造詣がとても深く、本書を通じて仏教や宗派の違いをよく理解できた。何の知識なく経典を読むよりも、本書を読んだ上で読むと、理解が深まるだろう。特に末法思想と鎌倉時代の僧たちの布教のあり方、浄土信仰、本覚思想、禅宗、日蓮と法華経などをわかりやすく説明してくれる。密教はもともと密厳浄土いって大日如来の絶対の悟りの世界をこの世で実現することを理念としている。2016/04/14