内容説明
『葉隠』は、江戸・元禄時代を生きた佐賀藩の元御側役・山本常朝が隠棲中に口述し、後輩の田代陣基が筆録した語録、回想録である。「武士道の聖典」とされており、激烈な狂気を礼讃している一方で、きわめて常識的な処世の知恵をも教えている「人生の指南書」でもある。現代に活きる百四十篇を選び、テーマ別に整理した上で、現代語訳・注・原文の順に配列。
目次
序 武士道といふは、死ぬ事と見附けたり
1 狂気の哲学
2 開き直りの精神
3 意地と反骨
4 人間関係の機微
5 「勤め」の工夫
6 時代と人生の構図
7 切腹・殉死
8 山本常朝自伝
著者等紹介
神子侃[カミコタダシ]
1920年、新潟県生に生まれる。中央大学卒業。編集者を経て、和漢の古典研究と著述を行なう。中国発行の雑誌「人民中国」編集顧問として、国交回復直後の北京に暮らし、日中文化交流に尽力する。本名・村上孚
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感想・レビュー
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加納恭史
10
暑くもなく、寒くもなく、丁度良い天気の今日。葉隠も半ばまで読み、エンタメに戻ろうと思ったが、まだ気になるのかこの本に当たる。あまりに読み易いのでびっくり。前の本の葉隠では半ばで家老論があり、諫言の難しさに驚いたが、この本ではどのように表現されるのかなと思った。四「人間関係の機微」があり、生き方に心使いがあり感心する。機転の心っかい/落ち目の人にこそ/失敗した者こそ信頼できる/聞かぬふり/他人の欠点を直させるには/忠告してくれる人を持とう/・・。ざっと見ても、なかなか難しい人間関係の機微の言葉が並ぶ。見事。2025/09/28
123456789wanko
8
ビブリオバトル@紀伊國屋書店新宿南店2014年2月1日のチャンプ本。サラリーマンの処世術。ただし、ミスると死にます。博打をして切腹。喧嘩をして切腹。君前で小便をして切腹。朝帰りで切腹。遅刻で切腹未遂等々、とかくお役所勤めも楽じゃなかったようです。2014/05/22
ψ根無し草
4
色々出ている「葉隠」の中でもかなり読みやすかった。葉隠の現代語訳と言えば三島由紀夫の「葉隠入門」が有名ではあるが、読みやすさ、親しみやすさを考慮すると「入門書」として手に取るならこちらがおすすめ。2014/04/04
タリぃ
3
かなり読みやすいので、興味のある人はどうぞ。2016/10/20
あんどれ
3
武士道とは・・・結論からしたら馬鹿になること。 馬鹿みたいにがむしゃらになって・・・って、がむしゃらになるって最近無いなぁ~。 恥を恥とも思わず、信念を強く持ち、忠誠心を忘れず。 全部今の時代には難しい。てか、いつからそんな日本人だらけになってしまったんだ?? 今の日本に武士(もののふ)はいない。みんな自分のことで精一杯。 なんか悲しいですね。2014/01/30