内容説明
『葉隠』は、江戸・元禄時代を生きた佐賀藩の元御側役・山本常朝が隠棲中に口述し、後輩の田代陣基が筆録した語録、回想録である。「武士道の聖典」とされており、激烈な狂気を礼讃している一方で、きわめて常識的な処世の知恵をも教えている「人生の指南書」でもある。現代に活きる百四十篇を選び、テーマ別に整理した上で、現代語訳・注・原文の順に配列。
目次
序 武士道といふは、死ぬ事と見附けたり
1 狂気の哲学
2 開き直りの精神
3 意地と反骨
4 人間関係の機微
5 「勤め」の工夫
6 時代と人生の構図
7 切腹・殉死
8 山本常朝自伝
著者等紹介
神子侃[カミコタダシ]
1920年、新潟県生に生まれる。中央大学卒業。編集者を経て、和漢の古典研究と著述を行なう。中国発行の雑誌「人民中国」編集顧問として、国交回復直後の北京に暮らし、日中文化交流に尽力する。本名・村上孚
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感想・レビュー
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123456789wanko
7
ビブリオバトル@紀伊國屋書店新宿南店2014年2月1日のチャンプ本。サラリーマンの処世術。ただし、ミスると死にます。博打をして切腹。喧嘩をして切腹。君前で小便をして切腹。朝帰りで切腹。遅刻で切腹未遂等々、とかくお役所勤めも楽じゃなかったようです。2014/05/22
ψ根無し草
3
色々出ている「葉隠」の中でもかなり読みやすかった。葉隠の現代語訳と言えば三島由紀夫の「葉隠入門」が有名ではあるが、読みやすさ、親しみやすさを考慮すると「入門書」として手に取るならこちらがおすすめ。2014/04/04
タリぃ
2
かなり読みやすいので、興味のある人はどうぞ。2016/10/20
あんどれ
2
武士道とは・・・結論からしたら馬鹿になること。 馬鹿みたいにがむしゃらになって・・・って、がむしゃらになるって最近無いなぁ~。 恥を恥とも思わず、信念を強く持ち、忠誠心を忘れず。 全部今の時代には難しい。てか、いつからそんな日本人だらけになってしまったんだ?? 今の日本に武士(もののふ)はいない。みんな自分のことで精一杯。 なんか悲しいですね。2014/01/30
Char
2
★★★ 「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」で有名な本書ですが、このくだりのように狂気にも似た激烈な内容を期待して読んでみたものの、一部鋭利な教えがあるものの、全体的には常識的な内容だったかなぁって感じます(根回しが大事だ、とか(笑))。 武士道の聖典とした扱いを受けるようになったのは、明治以降とのことで、後世の人々が都合良く利用したって感じかもしれません。amazonで「葉隠」で検索すると、「スラムダンク葉隠」とか出てくるくらいなので(笑)、都合良く解釈しやすいのかもしれません。 こういった古典は原文や2013/05/15