内容説明
なぜ差別があるのか、そこからの解放はあるのか。その命題に現地取材で挑む、渾身のルポルタージュ。
目次
第1章 白丁とは何か(韓国の被差別部落;白丁のルーツ ほか)
第2章 現代の白丁(過去の遺物;馬場市場 ほか)
第3章 白丁と結婚する馬鹿はいない(小さな韓国体験;晋州へ ほか)
第4章 韓国の屠場を歩く(白丁率五パーセント;ソウルの屠場 ほか)
第5章 最後の白丁(死の真相;白丁の子孫たち ほか)
著者等紹介
上原善広[ウエハラヨシヒロ]
ノンフィクションライター。被差別部落から殺人現場、ニューヨーク・ハーレムの路地裏からイラクの戦場まで、国内外を問わず独自のルポを発表している。1973(昭和48)年大阪府出身(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かしこ
4
思った内容と違ったがこれはこれで面白かった。韓国の白丁の部落の歴史とか、その暮らしについて調べて書いてあるのかと思ったら、今の韓国に白丁の人々はいるのか、差別はあるのかを調べた本だった。著者は韓国の各地の食肉工場や屠殺場に行って「ご先祖は白丁ですか?差別はありますか?」聞いて回るが韓国の人々は「今はそういうのないよ、朝鮮戦争で焼かれて、みんな引っ越しちゃったし、え、白丁と子供が結婚?それは反対するかなぁ、いや白丁って今はないけどね」みたいなことばっかり言われる。ずっとそれだった。2024/06/28
高木正雄
3
白丁という存在は知っていたが詳しくは知らなかったので勉強になった。日本よりもタブー視されているようだが、鄭棟柱さんの話が核心を突いているように思った。市場で写真を撮って怒られるくだりはびっくりした2024/08/05
amanon
3
なかなか複雑な気持ちにさせられる一冊であった。まず現在の若い韓国人の白丁に対する認識。「現在では白丁なるものは存在しない。そんなものは関係ない。それでも白丁とは結婚したくない。」こうした発言に覚えるモヤモヤを解消するような展開を求めてこの書を読み進めたのだが、結局モヤモヤはそのままに残ったが、それでも日本と韓国との部落差別の認識の違いなど興味深く、また考えさせられる記述に事欠かなかった。2009/05/23
lovekorea
2
被差別部落問題に付随するなんとも言えない『モヤっと感』を地道に足で探っていく良レポです。日韓でびっくらたまげるほど酷似しているところ、まったく違うところ、いずれも非常に興味深いです。2015/11/02
kaame
1
韓国のことはよく知らないから、この本に書かれていくことは韓国のごくごく一面なのだろうけど、そこから見えてきた世界に考えさせたれた。2011/02/27
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