内容説明
モアランド公爵と高級娼婦の間に生まれたマギーは、公爵家でレディとして育ったが、母の出自からふしだらな女だと期待する求愛者たちにはうんざりだと、公爵邸を離れひとりで生活している。ある日、重要な秘密が隠された手提げ袋をなくした彼女は、探偵のベンジャミンを訪ねる。彼は謎が多い男性だが口が堅く、貴族たちから信頼を寄せられていた。ベンジャミンは、身分違いの自分が公爵令嬢であるマギーと一緒に行動する理由として、求愛中のふりをすることを提案してきた。あなたにそんな演技ができるのかしら、とからかったマギーだったが、思いもよらぬ熱い口づけを返される。消えたレティキュール探しと、ふたりの関係は思わぬ方向へ向かおうとしていた―。グレース・バローズの大人気シリーズ!
著者等紹介
バローズ,グレース[バローズ,グレース] [Burrowes,Grace]
ペンシルヴァニア州で育つ。子育てのかたわら大学に通い、弁護士の資格を取得。ひとり娘が社会人になったあと、ロマンス作家としてデビューを果たす。メリーランド州に住み、弁護士として働きながら執筆活動をしている
芦原夕貴[アシハラユウキ]
東京生まれ。早稲田大学法学部卒。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
73
無理強いから始まる恋もあるものですね。公爵家の娘でありながら、自立して生活するマギーと探偵ベンジャミンの関係性にドキドキ。最初は「ふり」の関係がやがて大人の恋へと発展していくのがいいですね。やはり捜査のために共に行動していると、急接近していくのでしょうか。家族の陰湿さがあるからこそ、マギーの高潔な精神が伺えます。傷を理解するベンジャミンと愛故の頑なさを持つマギーの関係は納得いく展開に進んでいったような気がします。2017/08/25
veri
13
大人のしっとりとした恋が展開されていくのだと思いきや、同時並行でもっともっと深い陰湿な物語がありました。この著者さんは家族愛が素敵だと前に書きましたが、醜悪な人を描くのも上手い。そのため少し胸が悪くなるくらいに。でも、その分ヒーローとヒロインの高潔さが際立ちます。ヒーローは傷というものの影響をよく理解している人で、とても安心感がありました。マギーの頑なさも愛ゆえであるのでとても理解しやすく、すんなりと感情移入できたように思います。兄弟シリーズ 、姉妹シリーズともに翻訳がストップしているのが非常に残念です。2015/08/16
Mrs.涼子
5
面白かったッ。いつものグレース・バローズと違って、ちょっと非日常的。美味しいミルクティーが飲みたくなる。私はサンドウィッチよりもクッキーが良いなぁ。次作邦訳が待ち遠しい。2013/10/16
キッチンタイマー
4
庶子マギーと探偵ベンジャミンがなにごともはっきり言わないヒロインに振り回される。兄妹多いらしい。2014/02/23
あんころもち
3
今回はヒーローがやり手で良かった。デキる男はいいね! このシリーズは回を重ねるごとに公爵夫人の人柄が見えてきて、母の愛の深さが感じられ、ちょっと涙した。 アーチャーはどうなったのかが書かれておらず、残念。 ヴァル様はまだかーーー!?2022/01/14