内容説明
交通事故から生還した男を襲う理不尽な出来事「顔が違う」、地方のファストフード店に現れた異形の少年「叫び」、突然訪ねてきた自分と瓜二つの顔を持つ女「馬鹿」、山奥の巨大工場で稼働する謎の機械「ピストン」、高度経済成長の時代に起こった異様な宗教儀式を追った「イシガミ」…衝撃の犯罪映画『冷たい熱帯魚』で国際的な評価を獲った気鋭のシナリオ・ライターが夜の繁華街から地方の病院までを訪ね歩いて蒐集したショック実話集。
目次
めぐりあわせ
馬鹿
そと
ピストン
トレーニング
顔が違う
さけび
ふざけんじゃねえよ
迷惑
みせもの〔ほか〕
著者等紹介
高橋ヨシキ[タカハシヨシキ]
グラフィック・デザイン、映画評論、脚本など多彩なフィールドで活躍。雑誌『映画秘宝』ではアートディレクターを務める傍ら、記事も多数手がける。多くの映画ポスターのデザインでも知られる。大ヒットした映画『冷たい熱帯魚』では園子温監督と共同で脚本を執筆。同作は国内外で高い評価を受け、幾多の映画賞に輝いた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
49
隣接する気味悪くグロテスクな現実。実話怪談だとは思いたくない、いや、作者さんも、取材先の方の妄想の暗い煌めきかもしれないと云ってるじゃないか。そうであって欲しい・・・。牧野修さんが実話怪談を書いているような揺らめく恐怖。心霊現象を敢えて排除した(とはいえ現実とは思えない)恐怖譚の数々。人を襲う巨大な鹿、宅配業者が遭遇した紅い部屋の住人。消えた母、事故にあった友人。グロテスクだが隣で起きていそうな出来事が、どうかフィクションでありますように・・・。2021/03/08
HANA
37
ああ、嫌だ。別に幽霊も狂人も登場しない話が多いのに、とても嫌な話が揃っている。他の実話怪談が白刃引っさげた人に出会うような怖さだとすれば、これは懐に出刃包丁を持っている人と話すような怖さか。精肉工場で見た奇妙な機会にしても、病院で連れて行かれた奇妙な部屋にしても、踏切で遭遇した事故にしても、一行で表すとこれだけの事なのだが、話にするとどれもこれもとても嫌な香りを放ち始める。個人的には実話怪談の出来不出来には、この「嫌感」というのが重要だと思っているので個人的にはこの作品集には大満足だった。2013/02/12
鬼灯の金魚草
16
みんな確かに気持ち悪い話ばかり。後味悪いけどやめられない。2016/09/06
hannahhannah
15
高橋ヨシキによる実話サイコホラー。平山夢明が監修。不気味で気持ち悪く、嫌悪感を抱かせる話が多い。「トレーニング」には性別不詳なホーム・トレーニーが登場。「ドッヂボール」は同じような事件が1月に京急線で起きている。あとがきで、平山夢明が「ヘヴィメタルの巨匠でもあるRob Zombieが~」と書いている。いまやRob Zombieは映画監督としても大きな成功を収めたけど、私の中では彼は今でもWhite Zombieの元フロントマンで、ソロミュージシャンだ。❝Feel So Numb❞はよく聴いたなー。2017/02/22
澤水月
14
著者と私は16年の知己、彼が完全心霊否定論者と知り抜いている。怪談界の超大物の怖い話を「非合理」と遮ったのさえ見た。なのに実話怪談…「?」は周到に理論武装された前書き後書き、何より本文一読で雲散霧消。”幽霊話”とはまた別の、奇妙で、不可思議な話の数々に一気に耽溺…何だハム工場のピストンて!悪夢の数々はバロウズのルーチン(小咄)の如く蠱惑的…但し本書は徹底した聞き取り実話、行間に滲む血の迫力。いつも命を削る男、実話怪談も研究し尽くての決死の挑戦に違いない。十年に1度の傑作と平山御大の帯もダテでない。読め!2013/01/30
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