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竹書房文庫
パイの物語〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 271p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784812492093
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

1977年7月2日。インドのマドラスからカナダのモントリオールへと出航した日本の貨物船ツシマ丸は、太平洋上で嵐に巻き込まれ、あえなく沈没した。たった一艘しかない救命ボートに乗り、助かったのは、動物たちを連れカナダへ移住する途中だったインドの動物園経営者の息子パイ・パテル16歳。ほかには後ろ脚を骨折したシマウマ、オランウータン、ハイエナ、そしてこの世で最も強しく危険な獣―ベンガルトラのリチャード・パーカーが一緒だった。広大な海洋にぽつりと浮かぶ船。残されたのは僅かな非常食と水のみ。こうして1人と4頭の凄絶なサバイバル漂流が始まった…。2002年度ブッカー賞を受賞した文学史上類を見ない出色の冒険小説が、アカデミー賞監督アン・リーによって映画化。

著者等紹介

マーテル,ヤン[マーテル,ヤン][Martel,Yann]
1963年スペイン生まれ。外交官の家に生まれた彼は、幼少・青年時代をコスタリカ、フランス、アラスカ、カナダで過ごし、大人になってからもイラン、トルコ、インドと世界を転々としている。トレント大学で哲学を学んだのち、植栽、皿洗い、警備員など風変わりな仕事をするかたわら、執筆活動を開始。27歳で作家として生計を立てるようになった。主な著書に小説「Self」、ジャーニー賞受賞作の短編集「The Facts Behind The Helsinki Roccamatios」がある。現在はカナダのモントリオール在住

唐沢則幸[カラサワノリユキ]
1958年生まれ。長野県出身、青山学院大学卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

104
楽しい物語かと半ばワクワクして読みかけていたのに、途中から吐き気をもよおす。文字通りの気持ち悪さ。ここに何かの暗示があるのだとしても、もう忘れたいよ。日本に言及されていることすら、忘れさせて欲しいと思う。子供にはすすめられないな。2023/07/03

キムチ27

42
本来ならば、一番面白いはずの漂流記。余りのシュールな展開に気持ちがどんどん引いていく悪い読者になってしまった。最後はいささか流し読み。7か月以上もベンガルトラと漂流?!飢餓状態もここまでくるとコミックになってしまう。無論、パイパテルが意識朦朧状態になったという設定ならばやむを得ないまでにも・・長丁場を引っ張って行くのってどうだろう。更に第3部。これは戴けなかった。哲学の語り~ナラティヴストーリーとしてのお味は私には合わなかった。映画化されたものは面白かったようだが、作者が重きを置いた箇所は何だろう。2016/05/09

ドラやき

19
読んでいる途中に「この物語はもしかしたらノンフィクションだったかな?」と思わせる展開が所々にあり楽しく読めました。虎との漂流を227日間も可能にしたのはピシンが虎より立場が上であると思い込ませること、つまり調教をあれこれすることでした。下巻では大部分が太平洋で漂流する様子を描いていますが、その際に出てくる鳥や魚の習性がわかりやすく説明されていて勉強にもなりました。あと、一見楽園に見えたあの島の真の姿は恐ろしい。それにしても衝撃の第3部。沈没事故の事実確認に問題が無いのなら僕は動物の出てくる物語を選びます。2014/09/27

よう

16
上巻から漂流記が続く第二部。ここは単純に漂流モノとして楽しい。ネコ科の猛獣と一緒ってのは、元ネタがあるようだけど、加えて、主人公がもともと菜食主義者であるとか、動物と宗教のこととかが、サバイバルに独自の味わいをもたらす。また、比喩も多い。それどころか、終盤になると、いよいよ虚実の境目が分からなくなるような文章が続く。そして、第三部。録音テープ書き起こしという体で、ほぼ全てシナリオのような形式。つまり、それまで主人公視点がほとんどだったのが、客観視点になるという点は気が利いてる。(つづく↓)2016/08/31

tom

16
この本はすごい。読んでいるあいだに、いつの間にか、この本を自伝、ルポのようにして読んでいた。そして、書中に現れる出来事を、こんなこと実際にあることなのか、そんなはずないよね、これは飢えに苦しむなかでの妄想かもなどと考えていた。読み終わって、しばらくして、ようやくこの本が「物語」でることを思い出した始末。解説に、マジックリアリズムという言葉があったけれど、マジックリアリズムというものは、今回のような読書体験をいうのかも。上巻の5分の4の退屈さに挫折した人が多いと思うけれど、どうぞ最後まで読んでほしい。2013/03/28

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