竹書房文庫
世界でたったひとりの子

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 453p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784812491652
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

医療技術が発達し、いつまでも若いまま生きられるようになった世界では、かわりに子どもが生まれなくなった。数少ない本物の子ども、タリンは「子どもとのひととき」を提供することで暮らしをたてていたが、大人になる前に見た目を子どものままにしておく「永遠の子ども」手術を受けるよう期待される。大人だらけの世界で生きる少年タリンの運命は?…。

著者等紹介

シアラー,アレックス[シアラー,アレックス][Shearer,Alex]
イギリスの作家。1949年生まれ。テレビ、映画、舞台、ラジオ劇の脚本などを書いた後、小説家に。ヤングアダルト小説の第一人者として、日本でもファンが多い。イギリスのサマセット州に家族と在住。息子と娘がある

金原瑞人[カネハラミズヒト]
翻訳家。法政大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とりあえず…

38
「不老不死」。古今東西、多くの権力者や財産家が望みつつも成し遂げられなかった世界をシアラーが作り上げた。 それはとても寒々しい世界。誰もが自分が老いずに生きながらえる事を選んだ結果、暇を持て余し、目から生気(正気)を失い、出生率は激減する。その結果、子どもの存在は…。その数少ない子どもという存在であるタリン。彼の背負うものは想像に絶する。自然の摂理に反する科学や医療。救われる命があることも確かだが、負うリスクがあることを忘れてはいけない。 物語の世界だけの話ではすまない恐ろしさを感じる。2015/01/06

冬見

28
舞台は医療技術が発達しいつまでも若いまま生きていられるものの子供が生まれにくくなった世界。主人公・タリンは数少ない「本物」の子供。親代わりの男はタリンを永遠の子供にする手術を受けさせようとするが……。「子供」の振る舞いばかりが上手くなっていった。「子供」であるために子供時代を奪われ続けた。有り難がられるが愛してはくれなかった。タリンの孤独が痛く、あまりの厳しさに息が詰まった。だから、本当に救われた。ずっと探していた。信じていた。祈っていた。タイトルの意味が分かった瞬間、涙が止まらなかった。2018/01/23

よと

23
シアラーの作品は好きで学生の頃よく読んでいました。この作品は極度の少子化で子供が殆ど生まれない世界。今は違法となったPP手術を自分の意思ではなく受けさせられ、子供のまま時を止めている”偽物”の子供達。55歳の少女ダンサー。子供レンタルを生業としてる67歳の少年。誰よりも子供をうまく演じられる彼ら達。主人公は”本物”の少年タリン。子供の誘拐、売買、レンタルが当たり前の中の世界。タリンが感じる孤独にじわじわとくる恐ろしさを感じます。作り話だよね、と笑えないのは今のリアル少子化に危機感を感じてるからかも。2020/08/09

ひめか*

23
再読。もう絶版になっているが、何度も読みたい良作なので中古で購入した。ずっと若くいたいから老化防止薬が発展した世界。子供は希少価値で人さらいの対象となり、子供が欲しい大人達の間でレンタルされたり売買される時代になっている。幼い頃から実の父を見ないまま、ディートの元で子供として雇われるタリンは、その社会に対し疑問を持つ男の子。僕は大人になりたいんだ!子供のままでいたくない!その溢れる心の叫びが胸にグッときて泣きそうになる。誰もがずっと若くいたいと願う世の中だが、老いるのは素敵なことなんだと実感させてくれる。2019/12/19

ラテちゃん

23
先が気になって急ぎ足で読んでしまった。老いも楽しめるような人生を送りたいな。2016/05/13

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/5479124
  • ご注意事項

最近チェックした商品