内容説明
昨年末、編集部に届いた一通の分厚い封筒。その中には二百枚に及ぶ原稿用紙の束と一枚の便箋、送り主の欄には「ムラシタショウイチ(仮名)」と記されていた。さて、その二百枚に及ぶ原稿の中身とは―。黄昏時の土手で起立したままの姿勢の女に追いかけられる「幽霊の話」、回る洗濯機から覗く目「洗濯機の話」、アーケード下にいた八卦見の恐るべき姿「八卦見の話」など悪夢と怪異が渦巻く100編を収録。「懐かしくも新しい、読者の“恐怖の原体験”を再確認する一冊となってくれたなら、怪談を提供する側に棲む人間としてこれ以上の喜びはない」(黒木あるじ「あとがき」より)。
目次
経本の話
レコードの話
幽霊の話
夜行列車の話
360の話
ギターの話
樵の話
鬼の話
高尾山の話
ミイの話〔ほか〕
著者等紹介
ムラシタショウイチ[ムラシタショウイチ]
東京都生まれ。定年退職後、幼少時より自身が体験してきた奇怪な話や人から聞いた摩訶不思議な話を書き集めており、『笑う死体の話』はそれらをまとめた一冊(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
143
題名に笑うと入っていても必ずしも笑える本とは限りませんね。本書は全てが「~の話」という題名で統一された何処か懐かしい昭和の香りが漂うオーソドックスな100編の怪談噺集です。『二人の乗客の話』ローカル線の市バスの夜の7時半の最終便も終点まで3つを数える頃には客が辛気臭い仏頂面の男と青白い顔の女のアベック二人だけになった。バスの運転手は、もしや心中を企んでいるのでは?と案じてバスを停車し二人に行き先を聞こうと見ると何と女がいない。男は「女ですか、私が殺っちまったんですよ、それからずっと隣にいるんです」と言う。2020/09/27
澤水月
17
編集部に送られて来た(今の時代では)初老の男性からの不思議な話の束200枚! 中身は牧歌的で懐かしいザ・昭和な怪談、それ以外にも様々な風物や呼び方(アベックとかデートが登山とか昭和天皇崩御直前年末のあの自粛ムードとか)あれこれを思い出させつつ平成にまで至る。自分の幼少や父母、息子やその孫の代まで至り大河ものを読んでいるかのようで新趣向。どの世代も男の子の方がお化け好きなのが微笑ましい。幽の怪談コンには85歳の凄まじい気迫怪談が寄せられるし、シニア怪談というのはこれからいい鉱脈なのではと思わせられた。2014/06/29
chatnoir
14
怪談好きでちょっと霊感のある人が、コツコツ書き溜めた怪談を退職後に実話怪談家に送ったところ、完成度が高いので、ご本人作でという話になってできた一冊らしい。歴史背景や自分の生い立ち、生活環境の変化にともなって進む話がリアル。惜しいのは人から聞いた話が表題作になっている事。もっと面白い話があったのに、ショッキングなタイトルを選んだんだなぁ。親戚のおじさんに聞く生々しい怪談の雰囲気が楽しかったのになぁ。2016/06/04
猫子
13
さて、毎月恒例実話怪談一気読みである。一気に読むと具合が悪くなるのだけど気にしないわおほほ、というわけだが、今回のこの本は、タイトルはドン引きレベルであるが、内容はとてもいい。確かに怖い内容が多いのだが、どこかノスタルジックである。作者の方のもの好きさ加減がどうにも憎めないし、所々に感じる家族愛や懐かしい情景が詰まっている。読んだあとなぜかニコニコしてしまった。タイトルはすごいけどね、、、2014/07/03
ラルル
10
乱丁により完読出来ず。竹書房に交換をお願いして本を送り返したけど音沙汰なし。続き読みたい…2018/02/21
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