内容説明
鮮烈な残像とともに決勝の舞台を後にしたエースたち。だが、甲子園での「勝者」と「敗者」は、イコール「成功者」と「落伍者」にはならない―。甲子園で優勝を争った伝説の球児たちの明暗を描く、涙と感動の六つのストーリー。
目次
第1章 黄金のスコアブック―星稜対箕島延長18回激闘秘話
第2章 北を離れた道産子球児―駒大苫小牧の優勝メンバーたち
第3章 Tomorrow never knows―不惑を迎えた中京・三羽ガラス
第4章 小さなエースとメガネの名捕手―二人だから紡げたもの
第5章 15歳、一瞬の夏―それからのバンビ坂本
第6章 刹那の決勝マウンド―優勝投手という生き方
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
26
甲子園大会で華々しい活躍をしたチームの選手たちのその後をおっていますが、人生や過去の華麗な業績をどのようにとらえていくのが重要なのかが伝わります。1章と6章が良かったです。2023/03/07
ぺぱごじら
17
甲子園からは沢山の『ヒーロー』が生み出され、彼らを語る読み物は世に溢れているが、今から30年以上前の、和歌山県人の野球ファンにとって『伝説のひとつ』となった試合については、まとまった読み物がなかった。あの試合の裏側がちらりと覗けただけでもかなり満足。石川・星稜はあの後も甲子園で様々な激戦とドラマを生み、箕島もまた石井投手・島田捕手は高校卒業後に入団した住友金属和歌山時代に、再び延長戦の激闘を制して日本一になった。箕島の校歌を、母校の校歌並に歌える程、ぼくにとって彼らはヒーローだった。2014-1312014/07/26
おくりゆう
7
同時発売の「怪物たちの交差点」より個人的には好みでした。甲子園決勝は当然、勝者と敗者を生み出しますが、それがイコール成功者と落伍者にはならない、という強いメッセージを感じるそれぞれのその後に勇気づけられ、また単純に野球読み物としても面白かったです。2014/08/28