内容説明
「本当に…聞きたいかい?」安寧を突き崩す、壮絶な実話怪談。恐怖箱トリニティのつくね乱蔵、待望の単著デビュー作。
目次
木漏れ日が当たるベンチ
早く見つけて
もういいわ
円盤飛んだ
真っ赤なマニキュア
彼女のこと
思い出
砂山
正直な女
生け贄〔ほか〕
著者等紹介
つくね乱蔵[ツクネランゾウ]
福井県出身。第3回プチぶんPetio賞受賞。実話怪談コンテスト超‐1/2007年度で注目を集め、2008年『恐怖箱蛇苺』(竹書房文庫)で共著デビュー。『恐怖箱 厭怪』で単著デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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夢追人009
231
ハード実話怪談の旗手・つくね乱蔵さんの初単著にふさわしい蒼ざめた女の生首のイラストがマジで怖くて夜中に暗がりで見たくないですね。気づけば目がギョロリとこっちを睨んだりしてね、ギャーッ!それはともかくとして、でも著者は実は怖い話だけでなくバランスを取るようにしんみりと泣かせる話もサンドイッチで書いてくれていまして私はそういう話が大好きなのですね。ノスタルジックな泣ける昭和の時代の物語。『円盤飛んだ』二十世紀半ば頃の話で町内の顔役を務める大原さんが公民館に向かうと、玄関で商店街主催の祭の寄り合いで揉めていた。2021/05/01
はつばあば
53
厭怪。読みたいけれどイヤな妖気に包まれるのはお断りとばかりに、生気にあふれる新緑の候読了しました。そんなにコワクもなかったと見得を張りたいところだが、小悪魔的なのがウジャウジャと。実際にこういう目に遭う人って大変だろうなと思うけど、知らないで災難に遭うより、そういう現場を、知識を得て、逃れたいものです。よければ皆さんには、梅雨のジメジメした時期に・・。ピッタリ合いそうな本ですよ2016/05/02
NAO
22
蔦の家からあとは結構怖い。正直な女は笑った。2017/10/25
HANA
18
作者が言うように、確かに厭感はあった。実話怪談自体は普通のものであるが、最後にぽんっと一文を置くことで、読者をとても嫌な感じにさせるのは上手いなと感じた。それが際立っているのは「生け贄」や「業火」、「セカンド・オピニオン」。個人的に何よりも嫌な気分になったのは「正直な女」。「正直な女」で嫌な気分になれる人とは仲良くなれそうな気がする。2012/04/01
hannahhannah
16
つくね乱蔵による実話オカルトホラー。後味悪い話が多い。「もういいわ」で婆さんの幽霊が「財産は全て慈善団体に寄付してある。あんた達には一銭たりとも残さない」とドヤ顔してるが、遺族は遺留分減殺請求で遺産を半分はゲトれるんじゃないのかね?弁護士に相談だ!「厭水」はやたら不気味な水回りの話。「安楽死椅子」と「包囲網」と「二世帯住宅」は怪異より人間の悪意の方がエグく感じた。「ぶんぶん」は家が呪われているとしか思えない。深夜、息子に庭でバットで素振りさせる呪い。(笑)その後は怖いけど。全体的に家族絡みの話が多かった。2017/03/26