内容説明
酒場で出会った社長が幸運と引き換えに払ったものは…「幸運の代償」、深夜風呂場から聞こえる歯を磨く音…「歯磨き霊」、ベランダで見つけた息子の秘密、恐怖の連鎖は自分にも降りかかるのか…「鬼の卵」、他、何気ない日常がふと暗闇に変わる38編を収録。
目次
ボールペン
ゴミの下
こっちにくる
幸運の代償
唸る赤ん坊
切断の願望
エステシャン
方向音痴
黒い水の池
鬼の卵
走る亀
ヘタの入れ墨
絶倫の男
鬼嫁
彼氏怪談
濡れ雑巾
娘の声
駄目霊
信じない人の話
腹地蔵
理詰めの男
人じゃない
いちびり
倒れている人
とりかえっこ
黒いゴミ箱
家のしきたり
田舎のカバ
青い顔
窓の向こう
歯磨き霊
そそのかす女
ビジネスチャンス
お化け撃退法
最強の男
肝試し
魂の痕
楠志町のマナコムツ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
141
怪談実話の蒐集が趣味の怪談奇人という著者のデビュー作品集。やはり出て来る人も当然の如く飛び切りの変人揃いで相当にグロテスクな内容の話が多いですので、潔癖な方には絶対お奨めできませんし、読むにはかなりの覚悟が必要ですよ。『ボールペン』幼い頃から生き物にボールペンを突き刺す遊びを繰り返して来て遂にヤバイと思って代わりに耳にボールペンを突っ込む様になった男がタクシーに乗っている時に乗用車に横から追突されてシートベルトはしていたが耳にボールペンを突っ込んでいたので鼓膜どころか脳にまで突き刺さって死んでしまった話。2020/12/06
ゆみきーにゃ
63
《購入》続けて怪談本。初読み作家さんだったけど、楽しく読了。本読む時間ない時、気分が乗らない時は怪談本がサクサク進む〜2016/03/14
鬼灯の金魚草
13
「田舎のカバ」が気になる〰。実は何だろう。小さいおっさんは例え見たとしても食べたくない。最後のもじっとり怖かった。2016/08/18
HANA
12
怖いより不思議系が多い実話怪談集。駄目な霊の話や変な河馬の話等毛色の変わった話は多いもののいまいち食い足りない。と思ったら最後の「楠志町のマナコムツ」、これが大当たり。こういう断片や予兆を積み上げて朧な何かを出現させるという手法が個人的には大好きなのでこれは実に感心した。この作者は少し枚数の多いものを書くといいのではないだろうか。2011/10/03
とんぼ
8
全体的にさらーと読める。なんか笑えるようなのがあったり、あんまり怖くない? と思わせといて、後からじわじわ効いてくる。最後の話がやっぱり出色。ムラ社会に根付く呪い。真実はどうなのかわからないけど、怖い。マナコムツの言葉の意味。いや、ゾッとした。2013/02/04