内容説明
石、土に纏まる奇怪な恐怖譚。前作『恐怖箱 怪痾』に収録された問題作、「集団肖像画」に関する戦慄の後日談も収録。実話怪談界に衝撃を与えた医療系怪談三部作を完結させた雨宮淳司が満を持しておくる最新恐怖実話集。
目次
ヤブガミ
埋ける
ウィジャボード、ウィジャボード
四ツ目
標本一〇三一
落ちてくる
信号の上
麓の湯
蛇島さん
標〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
146
うーん、初読みの作家さんですが、ちょっと不親切さを感じてしまいましたね。怪談に解釈は不要とは言え説明不足で過去の著作の後日談はさっぱりついて行けずに完全に置き去りにされてしまいましたしね。独りよがりでなく出来るだけわかり易く書く等してもう少し読者に配慮すべきだと思いましたね。『腕時計をして』JRの鉄橋の橋脚に乗っていた雑誌が落ちて来てそこに「○○小学校の子供が腕時計をしてここに来ると死ぬ」と赤マジックで書かれていた。同じ小学校出身の20年以上年の離れた二人がそれぞれその川で死んだ別の生徒の話を知っていた。2020/07/23
HANA
7
前巻の「集団肖像画」がシャレにならなかった為、今回の続編は大いに期待して読んだ。結果は大ハズレ。聖書を持ち出したことでリアリティが消し飛んでしまい、単なる暗号解きになってしまっている。あと長い話が多くどれも冗長になりすぎているような気がする。その点「あの女医」は一つ一つの話が引き締まっていて面白く読めた。2011/03/03
王天上
3
やはりこの筆者とは合わないな。長編を得意とするらしく小説仕立てで展開していくのだが肝心の恐怖描写が盛り上がらず、どうしても乗っていけない。題材も長編に適しているとは思えないのだが。2015/09/15
きら
3
「土」にまつわる話が多い、恐怖箱シリーズの一冊。 この人が書く話って、文体のせいなのか、なにか他の要因もあるのか、ほとんどの話が創作怪談のように思えてしまうのは実話怪談集としてはあまりに大きな欠点なんじゃないだろうか。前作『恐怖箱 怪痾』で異彩を放っていて、反響も大きかったと思われる「集団肖像画」は、その時点で創作臭も群を抜いて強かったというのに、今作で収録されたその後日談「ウィジャボード、ウィジャボード」はもう蛇足も蛇足すぎて、恐怖とは違った意味で「勘弁してくれ」と弱音を吐いてしまいそうになった。2011/07/01
澤水月
3
麓の湯から以降、不気味で官能的などの章も最高。だが前巻から続く素数のやつは正直ヘドが出るほど厭だ、創作の枠でやってくれ。前巻で私は昨年死ぬかもしれないとされ、年始めに凄く嫌な気がしたのをまざまざ思い出す。死ななかったから今コレを書いているが自身死ぬほど嫌な目に幾つも遭い、大切な師、村崎百郎を亡くした。読者の命を実験台に言霊を操るんじゃねぇ!と…著者の筆力が素晴らしいからこそ苦言。村崎さんの言霊も凄まじかったことを思い…支離滅裂すみませんが2011/02/28